新連載*世界で発見 ! 教育へのヒント ! Takeda Yuri -Tips for Education-

vol. 1. ロングセラー、ハンガリーの絵本



ブダペストの町をお散歩していると、よく見かける何とも愛らしいキャラクターがありました。

ある日、ハンガリー人のお友達に

「あのキャラクターは何か知ってる?」と尋ねたところ、
「あ~あれ、小さいときによく読んだな~、絵本のキャラクターだよ」と。

いつか小さな絵本部屋を作りたいなと夢見ているほど、

幼い頃から絵本が大好きな私は、さっそく本屋さんへ。

そこには、そのキャラクターを生み出した絵本作家の作品がずらり。

① 絵本作家マレーク・ベロニカ(Marék Veronika)の世界

マレーク・ベロニカ

写真①本屋さんに並ぶマレーク・ベロニカさんの絵本シリーズ

上の写真に映るキャラクターたちの生みの親は、1937年にハンガリーで生まれた絵本作家マレーク・ベロニカ(Marék Veronika)さん。

彼女は1956年に処女作となる絵本を17歳で出版しました。
絵本の世界に魅了された彼女は国立人形劇場で働くうちに、お話や人形劇、子供のためのテレビ番組、新聞、ラジオ、映画の脚本などを手がけ、現在もなおご活躍されています。

彼女の作品は実は日本でも1965年に『ラチとらいおん』という絵本が出版されていて、その出版総数は50万冊近くに達したほど、まさにロングセラー絵本なんです。

今回は、そんなハンガリーを代表するマレーク・ベロニカさんの作品2点をご紹介します。

②「A kockásfülů  nyúl」と「A Csúnya kislány」

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写真②マレーク・ベロニカさんの絵本2点

1つ目(写真左側)は、私が前から気になっていたキャラクターが主人公の「A kockásfülů nyúl」。

タイトルの意味は「チェック柄の耳をしたうさぎさん」。
この絵本はたくさんのシリーズがあり、映画化もされたほど、ハンガリーで愛され続けています。
黄緑色のカラダとチェック柄の耳を持つうさぎさんが、望遠鏡でお友達の様子を遠くから見ている姿は何とも愛らしい♪
そんな可愛いうさぎさんはお友達のピンチになると駆け付けるスーパーマンならぬ『スーパーうさぎ』。

うさぎさんの優しさの裏にある強さが見ている人の心を惹きつけていく作品です。  

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写真③映画化された絵本作品

絵本には台詞がありますが、映画には台詞がありません。

吹き替えなしで、世界中の人たちが楽しむことができますし、自分たちで台詞を付け加えて楽しむこともできそうです。

世界中のこどもたちに彼女の世界を楽しんでもらいたいなと思いながら、私自身もうさぎさんの台詞やお友達との会話を想像して楽しみました。

次は写真②の右側に映るA Csúnya kislányと書かれた絵本について。 

「A Csúnya kislány」の意味は「ブサイクな小さな女の子」 

この物語の主人公エービケちゃんは、綺麗にするのが苦手な女の子。
だからいつも髪の毛はぐちゃぐちゃ、顔も洗わない、そんな彼女につけられたあだ名は「A Csúnya kislány」。

お友達と遊ぶのが大好きな心優しい彼女でしたが、お友達からのある言葉で彼女はとっても落ち込みます。

今までの彼女の優しさを知る木々や動物たちが、彼女が本当の自分を見つけるためのお手伝いをしようと奮闘する姿は何とも可愛らしく、読者までいつの間にか応援隊の一員に。
エービケちゃんの変化にともない、お友達の心も変化していく姿は、人が「大変」なことを乗り越えた先は、「大」きく「変」わる(成長できる)チャンスだというメッセージが伝わってきました。
きっと読む人の置かれる環境や状況によっても、また違った見え方があるのだと思います。

ハンガリーという異国の地で踏ん張っている私にとってこの1冊は、とても優しい応援メッセージのような絵本でした。

連載第1弾、「ハンガリーの絵本」いかがでしたでしょうか。
今回はハンガリーの絵本から、教育へのヒントをお届けしました。
第二弾も、いろんな角度から教育へのヒントを見つけていきたいと思います。 


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大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

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