音楽の都ブダペスト-Budapest is the capital of music- written by Takeda Yuri, Tips for Education-vol.3

音楽の都ブダペスト


前回ご紹介した『こども図書館』を出ると、そこには立派な建物があります。
ここはあるハンガリー出身の日本でも有名な人物と関係した施設で、音楽に興味のある方はご存知かもしれません。

ハンガリーを代表する偉大な作曲家フランツ・リスト(Liszt Ferenc)

Liszt Ferenc

Objets du musée Franz Liszt©flickr/Jean-Pierre Dalbéra

音楽にあまり詳しくないという方でも、一度はリストの楽曲を耳にしたことがあると思います。
例えば、数年前の世界フィギュアスケート選手権で、浅田真央選手がリストの名曲「愛の夢」に合わせて素晴らしい演技を披露し、世界中のファンを魅了したことなど、記憶に新しいかもしれません。

リスト大学

写真①-図書館から出た時のリスト大学の眺め

この場所は、そのリストによって1875年に創立されたリスト・フェレンツ音楽大学(Liszt Ferenc Zeneművészeti Egyetem)。

通称リスト音楽院と呼ばれるこちらの大学では、たくさんの日本人の学生さんたちが日々切磋琢磨して学ばれています。

下の写真は同音楽院の中にある、アール・ヌーヴォー様式の豪華な作りで世界屈指の美しさを誇る大音楽(コンサート)ホール。

ステージ上中央に写る方は、2013年にハンガリーへ渡り、2015年6月リスト音楽院指揮科を卒業され、

金井俊文

写真②演奏中の指揮者・金井俊文さん

外国人として初の同科ディプロマを取得された金井俊文さん。

2013年にハンガリーへ移られるまでも日本各地で指揮活動をされ、音楽の発展に貢献されてきました。

そして金井俊文さんの集大成を飾る卒業コンサートでは、

リスト音楽院学士課程のピアノ専攻を最高評価で卒業され、

現在もリスト音楽院修士課程に在籍されている

藤原新治さんとの協奏がありました。

写真③ピアノ演奏をする藤原新治さん

写真③ピアノ演奏をする藤原新治さん

 

“一番思い入れのあった演奏曲は何ですか?”という質問には、

お二人揃って、「ラヴェルのピアノ協奏曲」とのこと。

この曲はお2人で選曲し、曲をさらに深めるためにラヴェルの故郷フランスを訪ねて、演奏に臨まれたのだとか。

金井俊文さんにとって『ピアニスト・藤原新治』さんは、金井さんがリスト音楽院に入学する以前から、入学試験や指揮科のレッスンの際にいつもピアニストとして金井俊文さんの練習と活動を支えてくれた尊敬する学友だそうです。
公の場での共演を実現させたこのディプロマコンサートでは、お2人の強い絆と努力、そして共演できた楽しさが観客にも伝わってくるものでした。
演奏終了後は、拍手が鳴りやまないほどの大盛況で大成功のコンサートとなりました。

写真④(左)指揮者- 金井俊文さん(右)ピアノ-藤原新治さん

写真(左)指揮者/金井俊文さん、(右)ピアノ/藤原新治さん

近日中の活動としては、ピアニスト藤原新治さんが

2015年9月26ブダペスト市17区で開催されるバルトーク野外フェスティバル

で演奏予定です。

私はリスト・フェレンツ音楽大学の近くをよく通るのですが、その度に世界中から集まった学生さんたちを見かけます。

平日・休日を問わず練習に通う彼らの姿は威厳と誇りに満ちていて、その姿はまるで、人間が生み出した音楽という文化を守り抜く職人のようです。

まだまだ日本人には馴染みが少ないハンガリーですが、数多くの才能溢れる日本人音楽家の方々が、世界トップレベルと言われるこの国の音楽教育のもとで、その才能に磨きをかけています。

今回、「日々の努力の積み重ね、それが夢を叶える唯一の道だ」と強く感じた、取材でした。
日本国外でも活躍されている日本人の方々にもこれからスポットライトを当ててお届けしていきたいと思いますので、お楽しみに。


指揮者/金井俊文さん

1984年群馬県出身。白鴎足利高校音楽家ピアノ専攻を卒業後、桐朋学園音楽大学音楽学部、洗足学園音楽大学大学院ファゴット専攻を卒業。在学中、日本クラシック音楽コンクール、大阪国際音楽コンクールに入選し、桐朋学園在学中より指揮研究を始め、自ら設立したオーケストラと演奏活動を開始。日本各地で指揮者として、活動し2013年に渡洪し、リスト音楽院指揮科に入学。外国人は初となる指揮科ディプロマを取得、今年2015年6月卒業。現在もハンガリーで活動中。

ピアニスト/藤原新治さん

1992年東京都出身。父は日本人、母は中国人の家庭に生まれ、3歳から母の指導の下ピアノを始める。その才能はみるみるうちに開花し、2010年高校卒業後、渡洪。リスト音楽院学士課程を最高評価で卒業し、現在も同院修士課程で活躍中。2013年にイタリアで開催されたイスキア国際ピアノコンクールで優勝し、来年夏にはオールリストプログラムによるCDリリースを予定。

取材・文・撮影/フィノマガジン編集部・武田友里


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大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

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