待望の1st アルバム!【Infinity】独占ロング・インタビュー1


【フィノマガジン】昨年、ハンガリー国内のジャズコンテストで優勝に輝き、この国のミュージック・シーンに新風を吹き込む、いま注目のフュージョン・バンド『Infinity/インフィニティ』

今回フィノマガジンは、満を持してデビューアルバムをリリースしたInfinityのメンバーにインタビューを敢行。バンドのベース・ギタリストで、日本語がとてもお上手なSzabó Gergely(サボー・ゲルゲイ)さんが、Infinityメンバーを代表して取材に応じてくださいました。


Infinityのベース・ギタリスト、Szabó Gergely(サボー・ゲルゲイ)さん

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©FinoMagazin/ Infinity Bass Guitarist Szabó Gergelyさん。ご自宅の音楽室で取材に応じてくださいました

ーフィノマガジン編集部・前川(以下、F):この度は待望のファースト・アルバム・リリース、おめでとうございます!

Szabó Gergely(サボー・ゲルゲイ)さん(以下、Szabó ):ありがとうございます。

ーF:今日はCDデビューを果たしたSzabóさんご自身のバンドInfinity(インフィニティ)について、結成までの道のりやファースト・アルバムの聴きどころなど色々とお尋ねしたいと思いますが、あの〜…Szabóさんは日本語がとてもお上手ですね !

Szabó :そうですか?ありがとうございます。

ーF:日本語の勉強はいつ頃からされていたんですか?

Szabó:私はペシュトにあるKőbányai Zenei Stúdióという音楽学校を卒業した後に、 A Tan Kapuja Buddhista Főiskola(法門佛教大学)という大学に入学して、その時からですね、日本語を習い始めたのは。

ーF:法門佛教大学、あのブダペストの9区にある大学ですね。

Szabó:はい、そうです。

その大学に入って2年後に、文部科学省が実施している日本語日本文化研修生というプログラムで、2013年10月から1年間、京都の大学に留学して日本語の習得に励みました。

ーF:日本の文科省のプログラムで日本へ!?  じゃあ、かなり優秀な成績を修めていらしたんでしょうね。  京都の、どちらの大学に留学されたんでしょうか?

Szabó:京都教育大学です、その時に日本語能力試験のN1も受かりました。

ーF:合格されたんですか!?  素晴らしいですね!!  Szabóさんと日本との関わりについて、とても興味を抱かれる読者の皆様も恐らく多いかと思いますが、その辺りのお話は後ほど詳しく…。

では、Infinityというご自身のバンドについて、サボーさんはじめメンバーの方々のご紹介を、フィノマガジン読者の皆様に向けてお願いいたします。

Szabó:皆さん、はじめまして、私はInfinityのSzabó Gergely(サボー・ゲルゲイ)といいます。

私達はInfinityというバンド名で活動していて、フュージョン・ミュージックをメインに演奏しています。

メインメンバーは3人で、私の親友でドラム担当のFekecs(フェケチ)と、

 

Infinity ドラム:Fekecs Ákos(フェケチ・アーコシュ)

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ギター担当のTury(テューリ)、

Infinity ギター:Tury Krisztián (テューリ・クリスティアン)

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そして私、ベース・ギター担当のSzabó(サボー)、

Infinity ベースギター:Szabó Gergely (サボー・ゲルゲイ)

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この3人がInfinityのメイン・メンバーです。

一番最初はFekecsとTuryの2人、ギターとドラムの彼らが2人でInfinityを立ち上げたので、最初の頃はメインの2人以外は今と違うメンバーだったんですね。

 

デビューアルバム Infinity

↓メインジャケット画像をクリックすると全曲視聴できるInfinityのサイトにリンクします。

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©Infinity デビューアルバム、メインジャケット画像

 

ーF:現在、Infinityの皆さんはおいくつ(年齢)くらいなんですか?

Szabó:メンバーは一番下が23で上は27歳まで、ドラムのFekecsが一番若いですね。

ーF:Fekecsさんが23歳で一番お若いんですか? お写真だけだと、とても落ち着いて見えるから、もっと大人の方かと勝手に思い込んでいました。

Szabó:はは。あぁ、デビューアルバムには、Nagy János※(ナジ・ヤーノシュ)がメンバーとして参加してくれたんですが、

ーF:Nagy(ナジ)さんは、キーボード担当の方でしょうか?

Szabó:はい、Nagyはヨーロッパでも有名なフュージョン・ピアニストなんですよ。

いま彼は40代だから、Infinityのメンバー構成はかなり年齢層が幅広いと思います。

Nagy János(ナジ・ヤーノシュ) キーボード©Infinity公式サイトより

キーボード:Nagy János(ナジ・ヤーノシュ)©Infinity公式サイトより

※Infinityはヨーロッパで活躍中のNagy János(ナジ・ヤーノシュ)をメンバーにむかえ、初アルバムを収録。

 

Szabó:サックス奏者のBartók Máté (バルトーク・マーテー)。

私と同い年のBartókは、ハンガリーのフュージョンやジャズ関係者の間ではかなり人気のサックス奏者なんですよ。

Bartók Máté (バルトーク・マーテー) サックス©Infinity公式サイトより

サックス:Bartók Máté (バルトーク・マーテー)©Infinity公式サイトより

 

ーF:Bartókさんはハンガリー国内でいま売れっ子のサックス奏者なんですね。

Szabó:実はBartókと私、そして、ドラマーのFekecsとギターのTuryの4人とも、同じ音楽学校の卒業生なんですよ。

ーF:えぇ、4人とも同じ学校に通われていたんですか?

Szabó:はい、音楽学校に通っていた当時はまだ、私は他のバンドで演奏活動していましたね。

 

ーF:Infinityは当初、ドラムとギターのお2人が立ち上げたバンドとお聞きしましたが、SzabóさんがInfinityの一員として加入されたきっかけは?

Szabó:それは、ドラマーのFekecs(フェケチ)ですね。

彼とはかれこれ15年前から知り合いで、Fekecsが私を誘ってくれたので、いまはこのInfinityをメインに音楽活動しています。

 

ーF:Infinityの音楽を初期から支えるFekecsさんが親友で幼なじみなんですね。15年前というと当時、おいくつぐらいだったんですか?

Szabó:高校生くらいです、その時に知り合ったんです。

実は私が初めてバンド活動を本格的に始めた頃、加入したバンドの正規ドラマーがFekecsだったんです。

だから、彼とは最初から音楽つながりなんですよ。

音楽のおかげで親友にもめぐり逢うことができました。

知り合った頃は既に2人ともバンド活動をしていて、Fekecsは最初、私の出身地のジェール(Győr)で、ファンクバンドをやっていたんです。

ーF:ジェール? まだその場所を訪ねたことがないのですが、ハンガリーのどの辺りにある街なんですか?

Szabó:そうですね、ウィーンとブダペストの中間かな、どちらからも約150kmほどある場所かも。

ーF:ジェール、その町は音楽が栄えている場所とか?

Szabó:どうだろう、分からないですね … でも、割と多いかも。

ーF:親友のFekecsさん(ドラム担当)は、元々、ジャズを演奏されていたんですか?

Szabó:ああ、彼は元々、ファンク・ミュージックをやっていたんですよ、(一般的な)ロックでもなく。

そんな私も似たような感じで、音楽を始めた頃はメタルやロックを演奏していました。

ーF:ハンガリーはクラシックが盛んな国ですけど、Szabóさんはクラシックは?

Szabó:クラシックは、うちの家族は両親も姉も皆それぞれ、いろんな音楽を聴いているような家庭で、その中のひとつにクラシックも自然に流れていて、クラシックを聴くのは小さい頃から好きでしたよ。

ーF:ファンクにメタルにロックにクラシック …最初はメンバーの皆さん、それぞれ違うジャンルの音楽からバンド活動を始められたんですね。Szabóさんがベース・ギターを弾かれるようになってから何年くらいになるんですか?

Szabó:14年です、13歳から始めました。

ーF:14年も!? 失礼ですが、思ったより全然長い!  13歳、かなり早くからスタートされたんですね。お若いからそんなにベース歴が長いとは思いもよりませんでした。

 

ベースを始めたきっかけは、お姉さんの元カレ!?

©FinoMagazin Infinityのベース・ギタリスト Szabó(サボー)さん

 

ーF:世の中いろんな楽器がある中で、Szabóさんはベース・ギターを選ばれたわけですが、どんなきっかけがおありだったのでしょうか?

Szabó:それが、私には姉がいまして、私が13歳の時に姉がお付き合いしていた男性、姉の元彼がメタルバンドをやっていたんですよ。

で、バンド内ではベースを担当していたようなんだけど、その彼はしだいにヴォーカルをやり出して、歌う方に集中しだしたら、ベースをまったくやらなくなったんですよ。

で、自分のベース・ギターを我が家に持ってきて、そのまま置いていってしまったんです。

私はその、うちに置き去りにされたベースを使い始めるようになり、それで、ベースを弾くようになりました。

ーF:え〜では、Szabóさんがベーシストになられたのは、お姉さんのヘヴィメタ好きな元カレさんがきっかけですか? ビックリです!

初めて弾かれたベースというのは (Szabóさんのご自宅にあるベース・ギターを見て)…こちらにあるベース、じゃあないですよね?

Szabó:そうですね、違いますよ、その時のベースはもう誰かにあげました。

安っぽいベースでしたね(苦笑)

ーF:え、どなたかにあげられてしまったんですかっ? (^ ^) Szabóさんがベース・ギターに目ざめたきっかけがお姉さんの元カレの方だったなんて、なんだか面白いエピソードですね。

Szabó:そのベースを使って、最初の1年はまったく独学でした。

自分が聴いた曲だったり、耳で覚えたメロディをベースで試しに弾いてみるところから始まって、当時はベース・ギターの役目とかが全く分かっていませんでしたね。

 

ーF:Infinityの皆さんは一番年長のSzabóさんもまだお若いと思うのですが、少年時代から演奏活動を始められていらっしゃるし、メンバーそれぞれのミュージシャンとしてのキャリアと実力は相当なものだと思います。フュージョン系に精通していない私でさえ、少し楽曲をお聴きしただけなのにピンと来るものがありましたよ。

Szabó:ありがとうございます! それはうれしいです。

ーF:デビュー・アルバムの制作は、どんな感じで収録が進んでいったんですか?

Szabó:そうですね、これまだレコーディングのために曲全体を短く編集しているんですが、ライブだったらどの曲ももっとかなり演奏時間が長いんですよ。

 

ーF:皆さんでセッションされる時にその時のフィーリングを大切にして音作りされている感じなんでしょうか?

Szabó:はい、でも、どの曲もだいたい始めと終わりのメロディは決めていて、即興部分はその時のメンバー全員のフィーリングでちょっと音を変えてみたり、テンションが上がったり下がったりその辺りをアレンジしたり。

あと、自分が伴奏メインの時は、ソロパートを演奏するメンバーの音に集中して、それにアイディアがあったらまた、自分の考える音を組み合わせたり、とにかくフィーリングに任せて自然な流れで曲が生まれる感じですね。

 

始めと終わり以外、中間パートのメロディはほぼ即興で

音合わせと曲作りの様子、その時のフィーリングで新しい曲が生まれる

レコーディング風景。その時のフィーリングで音を紡ぎながら新しい曲が自然と生まれる

 

ーF:では、メンバーの誰か1人がすべて作曲するスタイルではないということでしょうか。

Szabó:そうですね、1人が全部担当する形ではないですね。

バンドメンバーと集まる時に、各々演奏を合わせながら、こういうのはどう?とか、メンバーみんなで意見を出し合いながらほんとに即興ですね。

実際に弾いてみたり、音合わせをしてみてその場でメロディを決めていくので、そうだな、メンバー全員で作曲している感じですかね。

 

ーF:レコーディングはどちらで?

Szabó:ペシュトの、14区にあるザンザ・ステューディオという場所です。

私達は週2回は練習で集まるんですが、その時もこちらのスタジオをよく使っています。

 

メンバーみんな、スタジオの音響スタッフの方ととても仲が良く、私たちも録音ブースでPCの前に座りながら、自分で操作させてもらえるんです。

編集作業も自分達でやれればその方が簡単ですし、自分達でできることはスタッフ任せにしないでやるといったスタンスですね。

 

ーF:デビューアルバムは6曲収録されていますが、その中でSzabóさんの一番のお気に入りってどの曲ですか?

Szabó:そうですね、アルバムの2番目に【Dance for Mantra】っていう曲があるんですけど、

 

Dance for Mantra デビュー・アルバム Infinityより

 

聴いていただく方の好みによってオススメしたい曲は変わるんですけど、個人的に一番好きなのはこの2番目の曲ですね。

ーF:【 Mantra】マントラは誰かの名前?

Szabó:ヨーロピアン・マントラというバンドがハンガリーにあるんですよ。

ハンガリーで一番有名なフュージョン・ミュージックのバンドで。

あと、タイトルの【Dance For】は、実は誰が始めたのか分からないけど、文字通り誰かのための曲みたいな意味で。

Dance For Allanっていう有名な曲があって、それを私達が大好きなバンドの名前【 Mantra】のためにとしたんです。

ーF:聴いていると、なんだかドナウ川に浮かぶオシャレな船上レストランとかで流れていそうな、すっごくカッコいい曲ですね♪

Szabó:はは。
あと、この5番目の曲、Chill Outは、フュージョンやジャズになじみがない音楽ファンの方にもとても聴きやすいんじゃないかと思います。

 

Chill Out  デビューアルバム Infinityより

Szabó:このChill Outはミュージック・ビデオ、MVも制作したんですよ。

ーF:MVもすごく素敵な仕上がりですね! 映像がとても色鮮やかで、サウンドの心地よさだけでなく、映像でもリラックスさせてくれる素敵な曲だと思います。この Chill OutのMVは、どなたが撮影されたんですか?

Szabó:ドラムのFekecs(フェケチ)の弟が撮ってくれたんですよ、彼の弟はプロのカメラマンなんです。

ーF:メンバーの弟さんも素晴らしい才能をお持ちなんですね!

Szabó:さっき仰っていたリラックスという言葉、この曲のMVはまさに『リラックス』できる映像をのせたかったんですよ。

ーF:それぞれの曲の伴奏は即興だったり、Infinityの楽曲はほぼメンバー全員で音合わせの際やライブだったら本当にその場のテンションで斬新なメロディが次々に生まれてくるんですね! 型にハマることのないクールなサウンドが、アルバムのどの曲にもよく現れている感じがします。

ーF:現在、Infinityの曲はハンガリーのクラブシーンなどでかなり流れているんですか?

Szabó:そうでもないんです、ハンガリー人って実はあんまりフュージョン・ミュージックが浸透していないんですよ。

どちらかと言えば、ハンガリーでは少数派なんです。

 

ーF:そうなんですか?日本じゃ、ラジオや街中でもたくさん流れているから、どうしてなんでしょうね。ああ、ハンガリーのTVチャンネルをつけると、そういえば、日本の演歌とロックが融合したような音楽がずっと流れている番組とかありますけど、フュージョンとかジャズの音楽番組って全然見かけませんね。

Szabó:ハンガリー人にとってまだ、フュージョン・ミュージックはまだまだメジャーな音楽じゃないんですね。

海外に滞在した経験はまだ日本だけなので、他の国のことは分からないけれど、世界の名だたるフュージョン系ミュージシャン達が世界各国、色んな場所にツアーで回っていますが、ハンガリーには立ち寄らず(ハンガリーのみ抜かして)世界ツアーしているバンドも多い気がしますね。

ーF:それはちょっと残念な話ですね。日本ではフュージョン系の楽曲やアーティストはとても人気がありますけどね。

Szabó:日本という国には私自身、留学もして、彼女も日本人ですし、大変思い入れがあるので、近い将来、ジャパンツアーができたらすごく嬉しいです。

日本をはじめ、ヨーロッパやアメリカなど、フュージョン・ファンの多い世界中の国々で、自分達のライブツアーを行いたいという目標を持っています。


【フィノマガジン】ジャパンツアー、ワールドツアーという熱い夢も語ってくださったInfinityのベーシスト、Szabó Gergely(サボー・ゲルゲイ)さん。インタビューはまだまだ続きます!次回はインタビューに応じてくださったSzabóさん個人の、日本文化との触れ合いや日本人も驚きの特技など、Infinityベーシストの素顔にも迫ってみたいと思います。続きもぜひお楽しみに♪

Infinity(インフィニティ) Profile

2011年、Tury Kisztián(テュリ・クリスティアン)とFekecs Ákos(フェケチ・アーコシュ)を中心として結成される。
2014年のAlba Regiaジャズコンテストで優勝、同年、政府の主催するCseh Tamásプログラムでも選抜され、アルバム制作のための奨励金を得る。
2015年、ヨーロッパで活躍中のNagy János(ナジ・ヤーノシュ)をメンバーにむかえ、初アルバムを収録。


 

Interview:Infinity(インフィニティ)、 Szabó Gergely (サボー・ゲルゲイ)さん

取材・撮影・文/フィノマガジン(FinoMagazin)前川英子

 


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ブダペスト在住コラムニスト。フィノマガジン主宰 兼 編集長。ワインアドバイザー(Wine & Spirits Education Trust認定Higher Certificate)。元博報堂グループ(広告代理店)コピーライター、ディレクター(AD & WEB)、プロモーション・プランナー。現在は出版社や雑誌社をはじめ、さまざまな媒体で執筆業を中心に活動。 現在連載中の他メディア◉【住まいの大学】インテリア講師 ◉【Yahoo! Beauty &TRILL(ヤフー!ビューティ&トリル)】ライター ◉ビューティメディア【Faura(ファウラ)】コラムニスト ◎受賞歴: J-wave主催Webビジネス開業支援コンテスト特別賞受賞(企画書制作部門)◎メディア出演歴:湘南ビーチFM(ラジオ局)“ワインのお話”メインレギュラー(約2年)。ハンガリーのネイル製品ブランドMoyra(モイラ)のSole Agent【Moyra Japan】代表。

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