日本ハンガリーニューイヤーコンサート


音楽の異文化交流「日本ハンガリーニューイヤーコンサート」In Budapest

今回は、ハンガリー国内で「日本とハンガリーの架け橋」をコンセプトに「日本ハンガリーニューイヤーコンサート」という新たなイベントを立ち上げた音楽家たちの活動をレポートします。

2016年1月16 日(土)、ハンガリーの首都ブダペスト市内の文化ホールで、ハンガリー人とハンガリー在住日本人の音楽家たちによる新年を祝うニューイヤーコンサートが開催されました。

コンサート当日の観客動員数は100人を超え、会場は大盛況!

©2016FinoMagazinブダペスト6区・ハンガリー郵便博物館に併設されたBenczúr Ház(ベンツールハーズ)

©2016FinoMagazinブダペスト6区・ハンガリー郵便博物館に併設されたBenczúr Ház(ベンツールハーズ)

※Benczúr Ház(ベンツールハーズ)は、音楽イベントをはじめ、会議、パーティー、展示会など多目的で使用できます。

 

日本ハンガリーニューイヤーコンサートは、企画立案から準備、実施に至るまでの全てを演奏者たち自らにより手がけられました。

今回のコンサートは、音楽の都として名高いオーストリアの首都ウィーンが世界に誇るウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が毎年1月1日に行う「ニューイヤーコンサート」に由来して名付けられたそうです。

ハンガリーも数多くの大音楽家たちが歴史に名を連ねてきた音楽の都として知られています。

ピアノの魔術師と呼ばれるリスト・フェレンツもハンガリーを代表する偉大な作曲家です。

そこで「音楽文化の栄えるハンガリーでもニューイヤーコンサートをやってみよう!」と今回の企画実現のために、ハンガリーで活動する音楽家たちが集まりました。

今回の日本ハンガリーニューイヤーコンサートの出演者は、

©2016FinoMagazin

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(写真左) フルート奏者のオンチク・ヴァレリアさん

(写真中央) オーボエ奏者の仁科晴奈さん

(写真右) 尺八奏者のケネーズ・ラースローさん

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(写真左) ピアニストの新井彩香さん

(写真中央左) ヴァイオリン奏者の長坂拓己さん

(写真中央右) チェロ奏者の中条誠一さん

(写真右) コントラバス奏者の石丸夏子さん

©2016FinoMagazin

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(写真左) 琴、アコーディオン奏者のチョルダーシュ・ジュラさん

(写真右) 太鼓奏者の後藤将太さん

リスト・フェレンツ音楽大学(Liszt Ferenc Zeneművészeti Egyetem)やエチュード音楽専門学校(ETŰD Zeneművészeti Szakközépiskola)で腕を磨いてきたメンバーを中心に、総勢9名の日本人、ハンガリー人の音楽家たちで構成されました。

プログラムは、日本に住む誰もが一度は耳にしたことがあるお正月の曲「春の海」から始まり、日本、ハンガリーをテーマにした曲、最後はヨハン・シュトラウス2世作曲の「美しき青きドナウ」の計11曲におよぶ豪華な内容。

オーケストラで使われる管弦楽器をはじめ、鍵盤楽器のピアノ、打楽器の太鼓、更には尺八、琴といった和楽器との異色のコラボレーションでしたが、そのハーモニーは心地よく、どこか懐かしさを感じるものがありました。

しかし、なぜ『ハンガリー』ニューイヤーコンサートではなく、『日本とハンガリー』がテーマになったのでしょうか。

この真相は、今回のニューイヤーコンサートに大きく貢献した二人の演奏家の活動を探っていく中で見えてきました。


 

©2016FinoMagazin

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(写真左)ピアニスト新井彩香さん (写真右)琴・アコーディオン奏者チョルダーシュ・ジュラさん

この2名の演奏家とは、日本ハンガリーニューイヤーコンサートの発案者であり、リーダーのチョルダーシュ・ジュラさん、そして彼の活動を支えた音楽仲間の新井彩香さんでした。


-企画者のチョルダーシュさんってどんな方?-

©2016FinoMagazin チョルダーシュ・ジュラさん

©2016FinoMagazin チョルダーシュ・ジュラさん

実はチョルダーシュさん、「日本の音楽文化」の大ファン!

その趣味が高じて日本語の勉強を始められたそうで、彼の日本語はかなりの上級者レベルなんです!

チョルダーシュさんの日本愛は、2016年1月10日に放送された「世界!ニッポン行きたい人グランプリ」という番組でも取材を受けたほど。

FinoMagazin読者の皆様の中には、この番組ですでに彼を見られた方がいらっしゃるかと思います。

今回のコンサートでは、日本の伝統音楽の演奏がいくつかあり、それらは西洋楽器と協奏できるように日本の音楽ファンのチョルダーシュさんが編曲したそうです。

2015年10月21日FinoMagazin掲載記事でもご紹介したように、知られざる親日国ハンガリーでは、日本とハンガリーの友好イベントが数多く、チョルダーシュさんも両国の友好イベントを盛り上げる仕掛け人の一人だったんです!

そんなチョルダーシュさんの良き音楽の友が、日本ハンガリーニューイヤーコンサートでピアノ演奏を努めた新井彩香さん。


―ピアニスト新井彩香さんってどんな方?そしてなぜハンガリーに?―

©2016FinoMagazin 新井彩香さん

©2016FinoMagazin 新井彩香さん

青森県で生まれ育った新井彩香さん。

武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻を卒業後、ハンガリーの名門″リスト音楽院″こと、リスト・フェレンツ音楽大学での留学を機に、初めてハンガリーを訪れました。

コンサートやコンクール、演奏活動で世界各国を飛び回る日々。

その中でも特に、新井彩香さんはハンガリーという国に魅了されたと言います。

日本帰国後もハンガリーを忘れられなかった彼女のもとに、ハンガリーへ移住するチャンスが到来。

2014年以降、ブダペストの中心部にある日本人宿「さくらんぼ」の経営を引き継ぎ、音楽をはじめ、「さくらんぼ」で異文化交流の場を作り続けています。

日本を愛するハンガリー人のチョルダーシュ・ジュラさん、ハンガリーを愛する日本人の新井彩香さん、このお二人の両国への思いを形にしたのが日本ハンガリーニューイヤーコンサートだったんですね。


 

©2016FinoMagazin 日本ハンガリーニューイヤーコンサートチケット

©2016FinoMagazin 日本ハンガリーニューイヤーコンサートチケット

最後にチョルダーシュさん、新井さんは、

「今回は『日本とハンガリーの音楽コラボレーション』には成功しましたが、来年は『日本人とハンガリー人のもつ良さを音楽で融合したコンサート』を作りたいです。」

と語ってくれました。

次回の日本ハンガリーニューイヤーコンサートではどんな面白い音楽の異文化交流を楽しめるのか、今から待ち遠しいですね!

FinoMagazinでは、ハンガリー国内で奮闘され、ご活躍されている方々をこれからもレポートし続けたいと思います!


チョルダーシュ・ジュラ

ハンガリーの首都ブダペスト在住。9歳の頃からパソコンを使って音楽制作を開始。高校生の頃にジャズピアノを勉強。その頃から日本に興味を持ち始め、カーロリ大学日本語学科に入学し、その間にハンガリー在住日本人とともにアマチュアバンド「東京アルハーズ」を結成。2010年卒業後、エチュード音楽専門学校(ETŰD Zeneművészeti Szakközépiskola)でピアノを専攻し、クラシック音楽を学ぶ。現在は日本の伝統音楽に関心を持ち、ハンガリーで暮らす人々に日本の音楽を紹介するイベントやハンガリーの音楽を日本で紹介するコンサートなど日洪両国で活動中。

新井彩香

青森市出身。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻を卒業後、リスト・フェレンツ音楽大学に留学。留学中より日本・ヨーロッパを中心に演奏活動を行う。2014年から本拠地をハンガリーの首都ブダペストに移し、日本人宿「さくらんぼ」を経営しながら、音楽留学で来洪した日本人学生の演奏の場として「さくらんぼ」でサロンコンサートを開いたり、日本語とハンガリー語の言語交換授業を設けるなど異文化交流活動に力を注ぐ。


取材・写真・文 / 武田友里(Takeda Yuri)


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大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

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