木の個性を楽しむアート、Intarsia(インタルジア)


読者の皆様、突然ですが「Intarsia(インタルジア)という言葉をご存知ですか?

日本語で「インタルジア」と検索してみると、主にファッション業界や繊維業界誌などで、セーターやカーディガンを編み上げる技法の一つとして取り上げられているものです。
おそらく、この言葉を知らない方は多いかもしれませんね。

実はこの「Intarsia(インタルジア)は、ルネサンス期のイタリアで流行したアートのひとつで、現代になってその芸術が再び人気になってきているんです。

 今回は、ハンガリーで見つけた世界のリバイバルトレンド「Intarsia(インタルジア)をご紹介します!

ハンガリーの『Intarsia』(インタルジア)

© 2016 Wood Arts Intarsia

© 2016 Wood Arts Intarsia

日本人にはまだまだ馴染がないIntarsia(インタルジア)。

一体どういうものなのかを調査するために、ハンガリーの地元メディアからも注目されているIntarsia(インタルジア)アーティストSándor László(シャンドル・ラースロー)さんに聞いてみました

Q.Intarsia(インタルジア)って何ですか?

©2016FinoMagazin IntarsiaアーティストSándor László(シャンドル・ラースロー)さん

©2016FinoMagazin IntarsiaアーティストSándor László(シャンドル・ラースロー)さん

シャンドルさん:私のインタルジアは、ずばり『Wood Arts(ウッド アート)』、『木』が持つ自然の要素を活かしきるアートですね!

例えばこちらの右の作品を見てください。

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

シャンドルさん:遠くからみると、木にペイントされた肖像画みたいですよね。

では、もっと近づいてみてください。

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

シャンドルさん:まだまだ、もっと近づいてみないとわからないですよ!

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

シャンドルさん:この絵がどうやって描かれたかわかりましたか?


なんと、この絵は「木」を組み合わせてできているではありませんか!!!!!

木で描いたと思えない柔らかな曲線とリアルさに圧倒されます。

 

その繊細なディテールに感動

©2016FinoMagazin シャンドルさんが実際に使用している色々な種類の木材

©2016FinoMagazin シャンドルさんが実際に使用している色々な種類の木材

 

シャンドルさん:『木』は種類によって様々な色、柄(木目)をもっていて、更には光の角度で色が変わって見えます。

私のインタルジアの作品の多くは「顔」をテーマにしたものが多く、平面上に木の性質をうまく利用して顔を描くことで、より立体的かつリアルに表現することが可能です。

影とのコントラストを木でどうやって創り出せるか、いつも木と向き合って試行錯誤しています。

それに木は生きていて、人間のように年月とともに変化するので、その色の変化もイメージして配色していく必要があるんですよ。

瞬間の変化だけでなく、経年変化も楽しめるアート。

それがIntarsia(インタルジア)の魅力なんです。


プチIntarsia(インタルジア)講座

今回は、シャンドルさんが定期的に開催しているワークショップに筆者が参加してきたので、そこで学んだIntarsia(インタルジア)の作り方をわかりやすくレポートします♪

©2016FinoMagazin Wood Arts主催のIntarsia(インタルジア)ワークショップで講師をするシャンドル・ラースローさん。インテリアデザイナーの方や木を扱うお仕事をされている方々も参加。

©2016FinoMagazin Wood Arts主催のIntarsia(インタルジア)ワークショップで講師をするシャンドル・ラースローさん。インテリアデザイナーの方や木を扱うお仕事をされている方々も参加。

Intarsiaの作り方①

Written By Takeda Yuri

Written By Takeda Yuri

FinoMagazin記者のプチ講座では、ものすご~く簡単にIntarsia(インタルジア)ができるまでをご説明しましたが、そこには言葉では説明できない、経験を積んだ職人だけが知る領域がありました。

木は生きていて、人間と同じようにそれぞれの木が個性を持っています。

色や柄(木目)も違えば、強度も水分量も違い、一つひとつの木の性質を読み取っていかなければなりません。

木が持つ特色をどうやって活かしていけるか、それがIntarsiaの難しさです。

 

ハンガリーの匠が学びたい「和」の伝統

©2016FinoMagazin 講義中のシャンドル・ラースローさん

©2016FinoMagazin 講義中のシャンドル・ラースローさん

シャンドルさん:Intarsia(インタルジア)と作り方は違うけれど、日本にもIntarsiaのような伝統工芸がありますよね?

誰か職人さんを知っていますか?


不意に投げられたシャンドルさんからの質問。

 読者の皆様は、日本にIntarsia(インタルジア)に似た「寄木細工」と呼ばれる伝統工芸があるのをご存知ですか?

特に箱根の伝統工芸として名高く、新年の名物イベント「箱根駅伝」では、1997年から毎年、往路優勝チームには寄木細工で作られたトロフィーが授与されています。

残念ながら、筆者には寄木細工職人の知り合いはいないのでご紹介できなかったのですが、日本の寄木細工の職人さんとの出会いが、また新たな可能性を広げる予感がしますね。

 

最後に、シャンドルさんの目標を教えてください!

©2016FinoMagazin 修復を依頼された木製箱と向き合うシャンドル・ラースローさん

©2016FinoMagazin 修復を依頼された木製箱と向き合うシャンドル・ラースローさん

シャンドルさん:私の目標は、デジタルが主流の現代に『木』という自然の産物をアートの中に組み込むことで、私たちの生活の中に「自然」との関わりを復活させることです。


こう語るシャンドルさんは、最近Intarsia(インタルジア)を用いた家具作り始められ、その活動の幅はますます広がっています。

シャンドルさんの今後のクリエイティブなチャレンジに目が離せないですね!

FinoMagazinでは引き続き、ハンガリーのトレンド情報をどんどんお届けしていきますので、お楽しみに♪


Sándor László(シャンドル・ラースロー)

ブダペスト在住のグラフィックデザイナー兼インタルジアアーティスト。数多くのロゴや商品パッケージ、広告デザインを手掛ける。オリジナルブランド「The great typographers」を設立。肖像画をモチーフにした作品は人気が上がっている。父が趣味で始めたIntarsiaに影響を受け、現在はIntarsiaを中心に制作活動に励む。近年、新たなブランド「Wood Arts Intarsia」を設立。そのユニークな感性と「木」の美しさを活かした作品は高い評価を得ており、ハンガリー地元メディアからも注目を集めている。3年前フリーランスに転身し、グラフィックデザイン講師としても活動中。


受賞歴 (Awards)

▶Graphic Design Categories Winner of “The Creative Promise of the Year” – 2010 Hungary (BKF – Budapest College of Communication,Business and Arts)

▶Plethora’s Top 10 – 2010 New Zealand (Plethora – iPhone application showcasing the best design)

▶”Hiiibrand Awards” – 2011 Package Student Categories Bronze Award Ronald Shakespear Jury Award Logo Student Categories Merit Award China (Hiiibrand Awards – International Design Awards)

▶”Graphic Design of the Day” – 2012 Best Graphics and International Product design selection France (Design and Design Award – designanddesign.com community)


下動画は、ハンガリー地元テレビがシャンドルさんのインタルジア作品展示会を取材した時のものです。

作品はWood Arts IntarsiaホームページもしくはWood Arts Facebookページからもご覧になれます。
Intarsiaワークショップにご興味のある方はWood Arts Intarsiaまでお問い合わせください。


取材・写真一部・文/武田友里(Takeda Yuri)


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大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

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