日本人のDNAに刻まれた花を愛する心、歌を詠む心


万代に年は来経とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし

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梅の花

厳寒の中で咲く梅の花、可愛い目白が蜜を求めて飛び回り、冬の暖かな日に手作りのお弁当をひろげて梅見三昧。
こういったひとときを送る時間はまた格別です。

日本各地で早い地域では1月下旬から多くは2月に、北海道などでは5月中旬まで梅見が楽しめ各会場では梅祭りが盛ん。
梅酒や梅ワインの試飲や販売、大道芸やダンスパフォーマンス、ライトアップ、和歌や俳句の歌会、茶会などさまざまなイベントが行われ家族やカップル、友人同士が梅をバックに写真を撮り早春を楽しみます。

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梅の花

万葉集の和歌には桜が40首詠まれているのに対し、梅は120首とも言われ貴族から庶民まで身分に関係なく歌を詠んだとされています。

鎌倉末期から室町時代、江戸時代にも庶民が花見を愛したことが史書に残されているんだとか。

夢のないお話をすれば、花は人を喜ばせようと咲いているわけではありません。
子孫を残すために色や香りで虫や鳥を呼び寄せ受粉させ、種を遠くへ運ばせます。

しかし、人々はそこに意味を持たせ喜怒哀楽を表現してきました。
遥か昔から日本人の感性は花や自然を身近に感じ家族や恋人への想いを歌い、詩的情緒を大切にしてきた民族なのではないでしょうか。

「万代に年は来経 (きふ) とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし」は、万年の後までも、梅の花が絶えることなく咲き続けて欲しいと歌われたもの。
その歌の通り現代も毎年咲き続け多くの人を魅了しています。

花よし、香りよし、果実よし

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写真提供 AC

梅の原産は中国で、諸説ありますが奈良時代以前に遣隋使もしくは遣唐使によって日本に伝来し、江戸時代に品種改良が盛んになり実を食用にする実梅、鑑賞用の花梅は今では400種以上になると言われています。

梅の実が収穫できる6月には、自家製の梅酒や梅ジャム、梅シロップ、梅ピクルス、梅の甘酢漬け、青梅の甘露煮などが作られ、早春には花を楽しみ初夏には実梅を加工し食す日本の文化は、長い年月をかけて育まれてきました。

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

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梅の実

桜は枝を切ってしまうとそこから腐り枯れてしまい、梅はきちんと剪定しないと花が咲かなくなり良い実が取れないのだそうです。
それだけ梅を育てるのには手がかかるということですね。
今年もこうして梅を鑑賞できるのは、多くの人の手があったからこそなのでしょう。

※桜も剪定が必要な場合もあります。

思いの丈を素直に表現!感動は感染する

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写真提供 AC

梅を観賞していると、何やらその場に似つかわしくない!?男性3人組を発見。
パッと見は都会の早朝によく見かける徹夜明けの若い男の子たち。

「すっげ~、なにこの景色、さいこ~」と少々乱暴な言葉ですが、感じたことを気取らず素直に声に出し、3人とも少年のように喜んでいました。
始終ニコニコして景色を楽しむその姿を見て、なんだかこちらまで心がほっこり。
歌を詠む形式も大事だとは思うのですが、荒削りな飾らない想いだって時には心に響きます。

感動したことを言葉に出すにはちょっぴり勇気のいる現代ですが、感じたままを口にせず出し惜しみしていたらなんだかもったいないですよね。

だって私たちのDNAには花を愛する心、歌を詠む心があるのですから。

時が来れば花が開花するように、感動する心には必ずその人の才能が開花すると信じています。

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記事/写真 Hiromi 大海


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この記事は2016年当時のフィノマガジンライターが書きました。 Hiromi 神奈川在住、子供なしです。主人とうさぎと一緒に暮らしています。最近やたらと健康食にこだわりが。 10年かけて少しずつ太って気がついたときには・・・・。ファスティング・断食で10数キロ減量に成功。 なぜか日本に目覚め、日本文化、日本語、日本食を独学で勉強中です。

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