知って驚き!! ハンガリーの “おもしろイースター” Húsvéti tojáskeresés


もうすぐハンガリーにも「イースター ( Húsvét )」※ の時期がやってきます。
日本語では、「イースター」を「復活祭」と呼ぶこともありますが、ハンガリーにご興味のあるフィノマガジン読者の皆様にとっても、まだまだ馴染のない言葉ですよね。
イースターとは、キリスト教の神として崇められているイエス・キリストが、十字架にかけられ亡くなった後、3日目の日曜日に復活したことを祝うキリスト教のお祭りです。

キリスト教徒が多いハンガリー国民にとって「イースター」は、クリスマスに並ぶ最重要行事といっても過言ではありません。
今回は、ハンガリー人のお宅で筆者が体験した「イースター」にまつわる風習や習慣をリアルレポートします!!

※ちなみに、イースターはハンガリー語でHúsvét (フーシュベート)と言います。


“イースター” ってなぁ~に??

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

イースターは春分の日(3月21日)以降で、最初の満月が訪れる直後の日曜日に始まるとされているため、クリスマス休暇とは違い、イースターは移動祝日※となっています。

※移動祝日とは、年によって日付が移動する祝日のこと。

3月22日(火)が満月だったので、2016年のハンガリーのイースターは 、3月27日(日)、3月28日(月)です。

キリスト教徒が多い国では、イースターは非常に重要な行事なので、クリスマスと同様に、家族でイースターをお祝いするのが一般的です。
そのため、今年は3月28日(月)は祝日で、ハンガリー国内のお店なども休業している所が多いので、お買い物はお早めに。
毎年、イースターの祝日は変わるので、この時期にハンガリーへご旅行される方は、現地カレンダーを前もってチェックしてくださいね。


イースターのシンボルたち

©2016FinoMagazin 手作りイースターエッグ

©2016FinoMagazin 手作りイースターエッグ

イースターのシンボルといえば、“ たまご ” です。
イエス・キリストの復活を祝うイースターで、たまごは、生命の象徴として最も重要な意味を持っています。

特に、赤く染色されたたまごは、イースターには欠かせません。
赤色は、殉教者の血の色を表すとともに、太陽と愛の色も表現しているそうです。

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin うさぎやひよこ、たまごの形をしたチョコレート

他にもイースターで欠かせないのは、うさぎひよこ

スーパーなどでは、イースターの時期が近づくと、上写真のようなうさぎやひよこをモチーフにした可愛いチョコレートが店頭に並びます。

ドイツ語では、イースターのことをOstern (オースターン) と呼ぶのですが、このオースターンの名前に由来しているとされているのが、ゲルマン神話※に登場する、春の女神 Eostre (エオストレ)という説もあります。

※インド-ヨーロッパ諸族に属し、現在の北西ヨーロッパに居住するゲルマン人の信仰に基づく神話の総称。

神話の中で、春の女神 Ostra (オストラ)が飼っていた世にも珍しい鳥は、様々な色の卵を産むことができたそうです。

ある日、ちょっとした理由からオストラは、飼っていた鳥をうさぎの姿へと変えてしまったと伝えられています。
そのため、イースターではうさぎが鳥の化身とされ、繁殖・多産の象徴となっています。

©2016FinoMagazin Barka (バルカ/日本語名:ネコヤナギ)

©2016FinoMagazin Barka (バルカ/日本語名:ネコヤナギ)

上写真のBarka ( バルカ )と呼ばれる枝に綿毛がついたように見える植物も、子宝に恵まれることを祈願するイースターのシンボルの一つ。
また、つぼみをもつことから、春のシンボルともされています。
ハンガリーの街中で、バルカを見ると春の訪れを感じます。

©2016FinoMagazin イースターの定番肉料理

©2016FinoMagazin イースターの定番肉料理

ハンガリー語では、イースターをHúsvét (フーシュベート)と言いますが、その言葉は、「Hús ( 肉 )」と「Vét ( 罪)」に由来しているそうです。
厳格なキリスト教徒の方々には、宗教の上理由で、イースターの前の約40-50日間、肉を食べないという習慣があります。

そして、イースターになると、肉を食べることが許されるため、イースターには、“ Húsvéti sonka (フーシュベーティ ションカ) ’’ とよばれる豚肉の燻製ハムなど、シンプルなお肉料理が定番となっています。


こどもたちは大はしゃぎ、イースターの伝統遊びとは!?

©2016FinoMagazin 木の枝の間に隠されたエッグチョコ

©2016FinoMagazin 木の枝の間に隠されたエッグチョコ

イースターのお祝いをする前に、大人たちはこどもたちに隠れて、お家の庭でこそこそとあることを準備します。

それは、イースターには欠かせない、子どもたちお待ちかねの遊びを用意をしているんですが、フィノマガジン読者の皆様も、きっと幼いころに一度はこの遊びをしたことがあるはずです。
そのイースターの伝統的な遊びとは、大人たちがこっそり隠しておいたイースターたまごをこどもたちが宝探しゲームのように探して集める、いわゆる “イースターたまご探しゲーム“。

ハンガリーでは、Húsvéti tojáskeresés (フーシュベーティ トヤーシュケレシェーシュ)と呼ばれています。

 

©2016FinoMagazin たまご探しに夢中のこどもたち

©2016FinoMagazin たまご探しに夢中のこどもたち

 

©2016FinoMagazin 集めたたまごを腕いっぱいに抱えて喜ぶこどもたち

©2016FinoMagazin 集めたたまごを腕いっぱいに抱えて喜ぶこどもたち

イースターたまごを夢中で探して、笑顔いっぱいのこどもたちを見ていると、こちらまで童心に返ったようにワクワクしてきます♪

さて、ここまではイースターを祝う国々で見られる光景なのですが、ここからがハンガリーの面白いイースターの本番です!!


“女性は美しいお花だから水をまこう!!  ” それがハンガリー流イースター

©2016FinoMagazin ハンガリーのイースター文化を身をもって体験した筆者

©2016FinoMagazin ハンガリーのイースター文化を身をもって体験した筆者

 

上写真をご覧の読者の皆様、これがハンガリーのイースター珍イベント、その名は、Locsolás (ロチョラーシュ) !!

なんのためらいもなく、ものすごい勢いでかなりの水をかけられている筆者ですが、上写真の光景は、まぎれもないハンガリーのイースターで見られるワンシーンなんです。

3月12日掲載の

「お水大好き“ハンガリー”考案! お好みのミネラルウォーターが瞬時で選べるアイデアとは!?」

でご紹介しましたが、ハンガリー人はやっぱりお水が大好きなようで、イースターのお祝いにもお水は必需品なんです。

写真だけでは、この伝統の面白さは伝わりきらないので、下の動画をご用意しました。

それでは、そのちょっと過激!?なイースターの水かけ儀式をVTRでご覧ください!!

Locsolás (ロチョラーシュ)とは、水をかけることを意味するハンガリー語。

ハンガリーのイースターでは、女性を可憐な花に例えて、「いつまでも枯れずに美しく咲き誇るように」と願いを込めて、男性が女性にお水をかけるユニークな風習があります。

最近では、香水や少量のお水を霧吹きで吹きかけるのが、一般的になってきましたが、現在も、このおもしろい水かけ文化は残っており、上動画の中のように、男性たちが何かを口ずさみながら、バケツいっぱいのお水を手に持って、女性たちに近づいていきます。

男性たちが一斉に口ずさんでいたのは、伝統的なイースターの水かけの詩で、ハンガリーには様々なイースターの水かけの詩がありますが、最後には必ず「お水を(お花に) やってもいいですか?」と男性は女性に尋ねるんです。

優しさよりもいたずらっぽく見えてしまいますが、春の訪れとともに、美しい花々が花開くように、ちゃんとお水をかけてもよいか尋ねるあたりは、なんだか愛らしく思えてきますね。

そこまで男性に一生懸命詠われたら、女性はもう受け入れるしかありませんが、一度体験すると、来年もやらなくちゃ!!と思ってしまうのが不思議な魅力。

水をかけられると、なんだかリフレッシュされた気分になれますよ!!


 

ハンガリーのイースターでは、生命の誕生を祝うとともに、ハンガリーの人々にとって、長く寒い冬に別れを告げ、花が美しく咲き誇る春を迎えるための大事な季節の行事だったんです。

他国の習慣を知れば知るほど、その地域の人々の感性や個性が見えてきますね。

フィノマガジンでは、引き続き、ハンガリーのイースターにまつわるリアルで面白いトピックを紹介していきますので、お楽しみに♪

 

取材・写真・文 / 武田友里 ( Takeda Yuri )

 


author-avatar

大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

No Replies to "知って驚き!! ハンガリーの “おもしろイースター” Húsvéti tojáskeresés"