海外でブーム “ BONSAI ” から考えるニッポンの今


今、ニッポンの文化「BONSAI ( 盆栽 ) 」が海外ですごいことになっています!!
5 月末に、ハンガリー西部に位置するハンガリー最古の町、Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール ) で第 7 回国際盆栽展覧会 ( Ⅶ. International BONSAI Exhibition ) が開催され、いつもは閑静な小さな町も大賑わい。

展覧会には、ヨーロッパの国々を中心に多くの BONSAI 職人、BONSAI 愛好家たちが来場し、スタッフによると、その数なんと1,500 人以上にのぼったんだとか。
ハンガリーの古都 Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )で見たニッポンの文化。
それは、日本で生まれ育った筆者の「盆栽」に対するイメージを一変させました。

今回は、ブダペストからの日帰り観光地としても人気があるSzékesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )で現地の人に聞いたおすすめスポットと異国でみた BONSAI の今をリアルレポートしていきます。


ハンガリーの古都 Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )

©2016FinoMagazin Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )

©2016FinoMagazin Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )

歴代のハンガリー国王の戴冠式が行われ、かつては要衝の町として栄えていたSzékesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )。
ブダペストからバスで気軽に日帰り観光ができるので、現在は、ハンガリー国内だけでなく国外からの観光客にも人気の観光地なんです。

優しいパステルカラーに彩られた街並みは、まるでメルヘンの世界にいるかのよう。

優しい音色で時を刻む仕掛け時計

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

城壁に囲まれた旧市街地では、ハンガリー史に関わる人物たちの人形が現れる仕掛け時計が、かわいい音色で時を告げてくれます。

お立ち寄りCAFÉ & SPA 情報

©2016FInoMagazin written by Takeda Yuri

©2016FInoMagazin written by Takeda Yuri

筆者が訪れた 5 月下旬には、BONSAI 展覧会だけでなく、「 Édes Napok ( スイーツの日々 ) 」イベントが開催されており、普段は静かな町も賑やかなお祭りムードで盛り上がっていました。

街歩きをしていると、人がたくさん入っていくある建物を発見!!
入口前には「Ⅶ. International BONSAI Exhibition (第 7 回国際盆栽展覧会) 」と書かれた看板がありました。
ひとりの日本人として、海外でニッポンの文化はどのように映っているのか気になり、少しのぞいてみることに。


海外トレンド BONSAI とは

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin Ⅶ. International BONSAI Exhibition (第 7 回国際盆栽展覧会)

日本では「盆栽」と聞くと、どうしても “ ご年配の方の趣味 ”、特に “ 男性向け ” という固定概念がある気がします。
筆者もそんなイメージをもっていた一人です。
しかし、ハンガリーで行われた BONSAI 展覧会を覗いてビックリ。
そこでは、若者や女性の姿も見られ、興味津津に BONSAI を食い入るように見つめている子どもまでいるではありませんか。

BONSAI 展覧会を見に来られた方々に少し話を伺ってみて感じたのは、自然と調和した神秘的な “ BONSAI ART (盆栽芸術) ” として、海外では高く評価されているということ。

2016 年 2 月 15 日掲載「日本人のDNAに刻み込まれた花を愛する心、歌を詠む心」でフィノマガジン記者ひろみさんが、日本人の自然美に対する感性の豊かさについて語っています。
「盆栽」は、DNAに刻み込まれた自然を愛しむ和の心により受け継がれ、今、「BONSAI」となって世界を魅了しているんです。

ハンガリーでも「BONSAI」として浸透している、日本が誇るべき文化なのですが、都会育ちの筆者は日本で盆栽に触れる機会がほとんどありませんでした。
お恥ずかしながら、今回のBONSAI展覧会で初めて自国の文化が生み出した「BONSAI」をじっくり鑑賞。
「綺麗だな~なんだか見ていると落ち着くな~」そんな荒削りな感想しかでてこない筆者に、この展覧会に出品していたハンガリー人の BONSAI 職人 パップ・シャーンドルさんが BONSAI 美について教えてくれました。


15歳でBONSAIに魅せられたハンガリーのBONSAI職人

©2016FinoMagazin 日本から招かれたHiramatsu Kojiさん(左)によるパフォーマンス

©2016FinoMagazin 日本から招かれた平松浩二さん(左) 実演を真剣に見入る観客

森林保全に従事してきた祖父の影響で、幼いころから樹に慣れ親しんできたシャーンドルさん ( 当時15歳 ) が、ハンガリーのテレビ情報雑誌を見ていた時、そこで取り上げられていた「BONSAI」を偶然みかけたそうです。
その瞬間、運命の出会いかのように「BONSAI」に魅了されたシャーンドルさん。

そこから21年、BONSAIに関する書物を読みあさり、独学でBONSAIを学び、ハンガリーの BONSAI 園芸店に就職、そして修行を積む日々を送っています。
BONSAI に魅せられたハンガリー人のシャーンドルさんが考える「BONSAI」についてお話を聞かせていただきました。

BONSAI職人 パップ・シャーンドル さん

©2016FinoMagazin ハンガリーのBONSAI職人 パップ・シャーンドルさん

©2016FinoMagazin ハンガリーのBONSAI職人 パップ・シャーンドルさん

 ※ 以下、シャーンドルさん ショートインタビュー翻訳

私が「BONSAI」に魅了されたのは、自然が大好きだった祖父の影響が大きいですね。
テレビ情報雑誌で取り上げられていた「BONSAI」を偶然見かけたのですが、一瞬で虜になってしまいました。
例えば、西洋でも庭の草木を切り整え、美しく見せたり、庭木のお手入れのために剪定をしますが、「BONSAI」は同じように見えても全く違います。

「BONSAI」は自然が与えた美しさを残しつつ、幹や枝を針金などで曲げて曲付け ( 模様付け ) をしていくのですが、その樹性を読み込み生かしきるデザインが求められるんです。
そして何よりもの魅力は、鉢の中に自分がイメージする自然の世界や風景を描くことができるところですね。
この感覚は、「BONSAI」でしか味わうことはできません。

ハンガリーと日本は非常に遠いので、簡単には行けないのですが、今回の展覧会のために、盆栽文化が根付く香川県高松市から盆栽職人の平松浩二さんが来てくれました。
本物の技を見せてもらえて本当に感謝していますし、いつか本場で盆栽を学びたいですね。


海外から見直すBONSAI の可能性

©2016FinoMagazin BONSAI

©2016FinoMagazin BONSAI

異国の地でみた「BONSAI」。
海外のBONSAIブームとは逆に、現代の日本では、ライフスタイルの欧米化による盆栽愛好者の衰退が嘆かれています。

実際に、欧米化された都会育ちで 20 代の筆者にとっても、ニッポンの盆栽は自分には敷居が高く、無縁のものだと思っていました。
今回の展覧会は、BONSAI 愛好家や職人の方々にBONSAIについて質問できたことで、「欧米式の生活であってもBONSAIは楽しむことができる!!」ことを知るきっかけとなったんです。

ハンガリーで見た「BONSAI」は、日本の古き良き「和の心」が「異国の風土」に溶け込みながらも、 そこには “ 伝統 ” が息づいていました。
時代も変わり、人々のライフスタイルも変化している今のニッポン。
ニッポンの誇りが消えあせないように、今度は、海外の BONSAI ブームに学べることがありそうですね。


今回は、ハンガリーの歴史ある Székesfehérvár ( セーケシュフェヘールヴァール )で、ニッポンの伝統である盆栽の今をリアルレポートしてきましたが、いかがでしたか?
フィノマガジンでは、引き続き、現地在住者だからこそ知るおすすめスポットやハンガリーがより身近に感じられるリアルなニュースを発信していきますので、お楽しみに♪

取材・写真・文 / 武田友里 ( Takeda Yuri )


author-avatar

大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

No Replies to "海外でブーム “ BONSAI ” から考えるニッポンの今"