ワインだけじゃない!! ハンガリーの旨いご当地ビール



知る人ぞ知るワインの産地ハンガリー。
トカイ※の貴腐ワイン、トカイ・アスーをはじめ、ガイドブックでも必ずハンガリー産ワインが取り上げられています。

でもやっぱり、夏と言えば「ビール」!
暑い夏に冷えたビールをごくり。
ビール好きにはたまらない至福の瞬間ですよね。
今回は、ハンガリーの夏をより味わい尽くしていただくために、ご当地ビール情報とスーパーでは売られていない地ビールを楽しめる穴場スポットをご紹介します。

※トカイ ( Tokaj ) は、ハンガリー北東に位置し、北端はスロヴァキアとの国境に接するワインの産地。トカイにあるブドウ畑は、ワイン産地の文化的景観として世界遺産に登録されています。

知らないと損!ハンガリーで飲んでおきたい三大ご当地ビール

©2016FinoMagazin

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ビール派には外せない、ハンガリー国内に本拠地を置く三大ブランドのビールをしっかり押さえておきましょう♪

ハンガリーご当地ビールとして最初に名前があがってくるのが、Dreher ( ドレーヘル )
現在のブダペスト10 区にあるKőbánya ( クゥーバーニャ ) にハンガリー初のビール工場となるドレーヘル 醸造所が誕生しました。

ドレーヘルの生みの親、Anton Dreher ( アントン・ドレーヘル )さんは、ドイツやオーストリア、イギリスでビール製造技術を学んだそう。
その後、1862年にハンガリーのクゥーバーニャで工場を購入し、ビールの生産をはじめたと記録されています。
各地にできたドレーヘル醸造所は、父から子へと受け継がれ、オーストリアの首都ウィーン南東にあるSchwechat ( シュウェハト ) 、イタリア北東部にあるTriest ( トリエステ ) 等で事業規模を拡大していきます。

日本でも手に入る “ Dreher ” は、ハンガリーのドレーヘルではく、“ ドレハーもしくはドレーハー ” と呼ばれているイタリア産が中心です。

第二次世界大戦後、社会主義政権下でドレーヘルは国営化。
社会主義政権を放棄した数年後の1993年には、世界最大級の醸造会社の一つであるSABミラーに買収されることに。
その波乱万丈な歴史を歩みながらも、ハンガリー産ドレーヘルのオリジナルな味は守り続けられているんです。

愛され続けるハンガリーのビールブランド、Dreher

©2016FinoMagazin

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一番人気はDreher Classic ( ドレーヘル・クラシック )で、ドレーヘル 特選 2 種類のホップ※を使っています。
透き通る黄金色とボリュームのある泡が特徴的。
ビール独特の苦味が強いビールとして、ビール好きに大人気なんです。

Dreher Bak ( ドレーヘル・バク ) ” もロングセラー商品。
カラメル麦芽を使用し、ビールで名高い地方、ドイツのバイエルン ( Bayern ) 、チェコのプルゼニュ( Plzeň )で醸造されるビール風に仕上げられ、豊かな香りとコクが味わえます。

その他、スーパーなどでも市販されている Arany Ászok ( アラニュ・アーソク )Balatoni Világos ( バラトニ・ヴィラーゴシュ )Kőbányai Sör ( クゥーバーニャイ・ショール ) もドレーヘルが製造しているんです。

3種類のホップを使った季節限定ビール“ Dreher Summer Moment ( ドレーヘル・サマー・モーメント ) ”は、柑橘類の風味で夏にピッタリの爽やかなのどごしが楽しめます。
夏の日差しを浴びながら、オープンテラスで一杯なんてイイですね♪

ブダペスト市内にあるDreher ( ドレーヘル ) 醸造所 では、ビール工場見学が毎週木曜日にあります。
工場見学は予約制で1日4回 ( 9 時~/ 14 時~/ 16 時~/ 18 時~ )実施。
15 名以上参加者が集まると開催されるので、お友達や職場の仲間でビールツアーを組んでみるのも楽しそうですね♪

※ホップは「ビールの生命」とも呼ばれ、ビール独特の芳香や爽快感、苦味を生み出します。他にもビールの泡持ちを良くし、ビール造りには欠かせない植物。

爽やかで軽い味わいがお好きな方には Soproni 

Soproni ( ショプロニ ) は、先ほどのDreher ( ドレーヘル ) と比べて、苦味が少なく、スッキリとした飲み口が特徴。
ゴクゴク飲めるタイプなので、乾杯後、勢いよく飲みたい一杯目にオススメです。

一番人気は、定番の Soproni Klasszikus

©2016FinoMagazin (左) Dreher (右) Soproni

©2016FinoMagazin (左) Dreher (右) Soproni

Soproni 1895 ( ショプロニ 1895 ) や深みのある黒ビールSoproni Démon ( ショプロニ・デーモン ) も定評があります。
ショプロニはかつて、ハンガリーのビールメーカーでしたが、オリジナルの味は残しながらも、今日では、オランダを代表するビールメーカー “ Heineken ( ハイネケン )″のグループとなっています。

ビール通でなくても飲み易い Borsodi

©2016FinoMagazin

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Borsodi ( ボルショディ ) は、 スッキリとした口あたりで、「飲み易い」ビール。
日本で一般的なピルスナースタイル※で造られているので、あまりクセはなく、苦味が少ないビールと言えるでしょう。

※ピルスナーは、チェコのプルゼニュ ( Plzeň ) 地方を発祥とするビールのスタイル。

ビール独特のコクや香りがお好きな方には、ちょっと物足りないかもしれないですが、飲み慣れていない方に試していただきやすい一杯。

濃い味がお好きな方は Borsodi Bivaly ( ボルショディ・ビヴァイ ) がオススメです。
Bivaly ( ビヴァイ ) とは、ハンガリー語でバッファローの意味。
そのイメージ通り、“ 強い” がウリのビールなんです。
アルコール度数は、一般的なビールより高めの 6.5 % で、定番のボルショディビールよりも深みがあります。


スーパーで買えないハンガリー地ビールを楽しめる隠れ酒場

©2016FinoMagazin

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もっともっとローカルなビールが飲みたい !!
そんなフィノマガジン読者の皆様にとっておきの隠れ家をご紹介!!

ブダペストの大型ショッピングセンターの一つ、Westend City Center ( ウエストエンド・シティー・センター) から 5 分ほど歩くと、一見小さな売店のような店構えの酒屋が見えてきます。
小さな酒屋なのですが、お店の前で様子をうかがっていると、仕事帰りのサラリーマンが続々とやってくるではありませんか。
評判通り人気があることを確信し、店内に潜入。

店に入ってみると、見たことがない様々なビールが小さな店舗にずらりと並んでいます。
お店の方もフレンドリーでアットホームな雰囲気。
常連客がひっきりなしにお気に入りのビールを求めてやってきます。

お値段は、スーパーなどで市販されているビールよりお高めですが、あまり流通していないハンガリー各地のご当地ビールが気軽に楽しめます。

筆者は、はじめてみるビールばかりで選ぶのに困ってしまい、お店の方にオススメのビールを尋ねてみることに。

ビール通の店員さんに聞いてみた ! オススメご当地ビール

©2016FinoMagazin Thomas Menner

©2016FinoMagazin Thomas Menner

店員さんが選んでくれたのは、上写真のビール。
今から 300 年程前に、Thomas Menner(トーマス・メンネル)さんが、ハンガリー西部の町 Pannonhalma ( パンノンハルマ ) で上写真のようなビールを製造していたそうです。
残念ながら、オリジナルのビールはもう存在しませんが、こちらのビールは、当時のレシピをもとに造られた復刻版です。

「よし、買って帰ろう!」 とレジに並ぶと、前に並んでいた仕事帰りのグループが、レジでビールを購入し、店の奥へ。
どうみても “ ビールを販売している店 ” としか思えないのですが、まさかと思い、奥を覗いてみると…
薄暗い室内には 4 人掛けテーブルが 2 つと 2 人掛けテーブルが 1 つあり、既に常連客で賑わっているではありませんか。

さっそく筆者も店員さんオススメの “ Thomas Menner(トーマス・メンネル)” ビールを持って、店の奥でいただいてみることに。
ローカルな雰囲気の中で、ハンガリーのご当地ビールを味わうのは、なかなかおつなものですよね。
店員さんオススメのビールは、コクがあり、かつまろやかな味わい。
強いクセもないので、万人ウケするタイプのビールでした。

日本でいうところの立ち飲み屋感覚で、仕事終わりに一杯ひっかけて帰れる隠れ家的存在。
食事メニューはなく、“ 美味しいビールを飲む ”ことに徹底した酒場です。
日本では、まだまだ流通していないハンガリービール。
ハンガリーにお越しの際は、ぜひローカルな雰囲気で、ハンガリーのご当地ビールも楽しんでみてくださいね。


今回は、ワインに隠れているけれど、意外と美味しいハンガリーのご当地ビールとビール好きにはたまらない穴場スポットをご紹介しました。
フィノマガジンでは、引き続き、旅や暮らしに心地良いスパイスとなる美味しく楽しい話題を発信していきますので、お楽しみに♪

取材・写真・文 / 武田友里 ( Takeda Yuri )


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大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

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