バーベキューで見た!ハンガリーの驚き食文化



毎日暑くなっていきますね。
ハンガリーでも日中は30度を超え、街中では夏のファッションを楽しむ人が増えてきました。
そんな夏の美味しい楽しみと言えば、BBQ ( 英:Barbecue / バーベキュー ) !!
青空の下で、冷たいビールを片手に、家族や友達とワイワイBBQ なんて最高ですよね。

ハンガリーでもバーベキューは、夏の定番。
外国のバーベキューと聞くと、網の上で豪快に焼かれたお肉を想像される方も多いのではないでしょうか。
しかし、ハンガリーのバーベキューには、想像を超えた食文化が隠されているんです。

今回は、筆者が見たハンガリーの驚き食文化と異国の地で食べ物がお口に合わなかった時の上手な断り方をご紹介します♪


驚き、衝撃、でも意外と旨い!? ハンガリー流バーベキュー

©2016FinoMagazinbbq

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筆者がハンガリーに移住後、初となるバーベキュー パーティー。
異国の地でバーベキューをするのも初めてだったので、ヨーロッパの一国であるハンガリーは、豪快にお肉を焼いたりするんだろうなと筆者は想像を膨らませていたんです。

ハンガリーの首都ブダペスト郊外にある友人宅には大きな庭があり、そこが今回のバーベキュー会場。
庭に案内されると、既に薪がくべてありました。

焚き火でバーベキュー、それがハンガリースタイル

©flickr / Quinn Dombrowski title: Firewood

©flickr / Quinn Dombrowski title: Firewood

くべてある薪を見た筆者は、「焚き火でバーベキュー!! これは美味しいお肉が食べられそう♪」と単純に大喜び。

というのも、筆者が住むブダペストのダウンタウン( ペスト側 )※1 の住宅は、2015年11月16日掲載「ガイドブックに載らないブダペストの歩き方」でご紹介したように、中庭はあってもお庭と呼べる場所はないアパート※2が一般的なんです。

※1 ドナウ川を挟んだ西岸はブダ側、東岸はペスト側と呼ばれています。
※2 アパート…Apartment House (アパートメントハウス) / 集合住宅。

そのため、焚き火で調理なんてご近所迷惑になるのでもってのほか。
でもガスや電気ではなく、自分の手で火を起こし、自然の火を使って作る料理は、不思議と格別に感じますよね。
“ 焚き火で焼いたジューシーなお肉 ”を想像するだけで、お腹も一気にすいてきます。

友人たちは手慣れた手つきで火起こし開始 !!
火の準備ができたところで、次は材料の準備です。

具材は台所に準備してあるよと言われ、筆者が取りに行くことに。
その時、台所で衝撃的なものを見てしまったんです。

ベーコン!? いや違う、まさか脂身オンリー!?

©2016FinoMagazin Szalonna ( サロンナ )

©2016FinoMagazin Szalonna ( サロンナ )

筆者が目撃したもの、それはハンガリー人たちがSzalonna ( サロンナ ) と呼ぶ食べ物。
その場にいたハンガリー人の友人たちは、「やった~!!」と大盛り上がりなのですが、筆者ひとり、その得体のしれないサロンナを見て、無言になってしまったのです。

日本では聞き慣れないサロンナ。
簡単にご説明すると、皆さまがご存知のベーコンから脂身部分のみ取りだした脂肪の塊ということになります。
ハンガリー料理には、バターよりもサロンナやラード※を使用するほど、ハンガリーの食文化に欠かせない存在で、現地のお肉屋さんで普通に売られている伝統的な食材なんです。

※ラードとは、豚の脂肪組織からとった白色の食用脂。ハンガリー語ではZsír ( ジール )と言います 。

バーベキューでカルチャーショック

©2016FinoMagazinSzalonna

ハンガリーの人々にとって、お友達や家族を庭に集めて、Szalonna ( サロンナ )を焼きながら、賑やかに食事をするのが夏の楽しみなんです。

筆者をのぞく、友人たちはハンガリー育ち。
「バーベキューではサロンナを食べるよ」なんて説明しなくてもハンガリーでは、ごく普通のこと。
彼らにとって、“ 焚き火でサロンナを焼く ” ことが、夏の定番バーベキューだったんです。

食べ方は、焼いて丸かじりではなく、火で炙ったサロンナからポトポトと垂れる脂をパンでキャッチ !
香ばしいサロンナ風味のパンに、新鮮な野菜を載せて食べます。

火で焙りながら流れ落ちる脂は、火力も強めてくれるので、効率的 !?
最後は、小さくカリカリになったサロンナをチップス感覚でいただくのが、ハンガリー流バーベキューの極意なんです。

想像していたバーベキューとは、似ても似つかず、筆者にとって衝撃的なカルチャーショック。
しかし、何事も経験とサロンナをいただいてみましたが、実際、思っていたより悪くなかったものの2つ目に手を伸ばすことはできませんでした。

食が進まない筆者。
その時、友人の一人が、「もうひとついかが?」と笑顔で、次なる脂の塊を差し出してきたんです。
さて、こんな時、フィノマガジン読者の皆様なら、どのように返事しますか?
申し訳ないから我慢? それとも ハッキリ断りますか?

海外生活や旅行中に、異国の食文化や習慣に驚き戸惑ったご経験をされた方は、きっとたくさんいらっしゃるはず。
母国語であっても相手を傷つけないように断るのは、難しいですよね。
これが外国語となると、尚更、どんな言葉を選べばいいのか困ってしまいます。

今回は、ハンガリーで筆者が実践している上手な断り方をフィノマガジン読者の皆さまに伝授します!


カルチャーショックは、隠す必要なし!驚きは笑いに変えてトークのネタに♪

©flickr/ MarcKjerland title: laughs

©flickr/ MarcKjerland title: laughs

人には好き嫌いがあるように、自分には合わない習慣や風習があるかもしれません。
そんな時は、我慢しなくていいんです。
日本人は、忍耐強いと言われますが、ここで耐える必要はありません。

ハンガリーで自分の意見や意思をはっきり伝えることは、決して失礼なことではないんです。
“ おもてなしの心 ” が根付いた日本では、相手の婉曲的な伝え方や仕草から気持ちを読み取ることが大切にされていますよね。

しかし、国が違えばおもてなし文化も違い、ハンガリーでは、何かを振舞った後に、「どうですか?」と相手に尋ねます。
そしてここで求められるのは、お世辞ではなく、率直な感想や意見。
もちろん、ハンガリーでも振舞った相手を侮辱するような言い方は失礼になりますが、もてなされる側は、意見を求められたことに感謝の気持ちを表して、自身の意見を伝えることが重要視されます。

意見を求められた時こそが、上手に断るチャンスです!!

では、「( 味は )どうですか?」と聞かれたら、何と答えればいいのでしょうか ?
最初のポイントは、味に対するコメントは避け、相手の文化について質問を投げかけること。

例えば、「サロンナバーベキューは初めてだよ!ハンガリーではサロンナをよく食べるの ? 」というように、ネガティブな驚きは関心をもって質問すれば、会話も弾みます!
自分のことを知ってもらうのと同時に、相手のことを理解しようとする姿勢は、異文化交流だけでなく、人と人とがコミュニケーションをとるうえで大事ですよね。

しかし、話が弾んだ勢いで、「もう一ついかが?」なんてすすめられたり、外国語で日常会話はまだ難しい!という場合、どうやって断ればいいのでしょうか?
そこでポイントとなるのは、その食べ物がどんなに苦手でも、最初に「要りません」ではなく「ありがとう」で意見を聞いてくれたこと、もてなしてくれたことに感謝の気持ちを伝えること。

お礼の気持ちを伝えたうえで、ダイレクトに「嫌いです」ではなく、優しく「ありがとう、でも要らないです」と断るとうまくいきますよ。
たとえ相手が残念に感じたとしても、そのせいで場の雰囲気が悪くなったりしないはずです。

では、「ありがとう、でも要らないです」をハンガリー語で言ってみましょう。

Köszönöm,de nem kérek. ( クスヌム デ ネム ケーレク)
↑クリックすると発音をチェックできます。

これは、ネイティブスピーカーも良く使フレーズ。
このハンガリー語基本フレーズをもう少し細かく解説していきます。

Köszönöm (クスヌム) … ありがとう
 ☞ ありがとうをより丁寧に言う場合、Köszönöm szépen ( クスヌム セーペン )、さらに丁寧なありがとうは、Nagyon szépen Köszönöm ( ナジョン セーペン クスヌム )。
De ( デ ) … しかし/でも
 ☞ 英語のbutに近い言葉。前文が肯定文の時の逆接として用いられます。
Nem ( ネム ) … いいえ
 ☞英語で言うと、noやnotに当たる言葉。
Kérek ( ケーレク ) … ( 私は ) 頼みます/注文します
 ☞ハンガリー語は、主語にともない動詞が変化します。動詞は、不定活用と定活用に分かれ、この場合、Kérが1人称かつ不定活用で変化し、Kérekとなっています。

フィノマガジン読者の皆様お気付きでしょうか?
ハンガリー語と日本語、実は、語順が少し似ているんです。
なんだか親近感がわいてきますよね!!

それでは、もう一度、「ありがとう、でも要らないです」をハンガリー語で練習してみましょう!!
Köszönöm,de nem kérek. ( クスヌム デ ネム ケーレク)
日常生活で何かを勧められたり、道端で勧誘を受けたけれども断りたい時に、お役立ちフレーズなので、ぜひ覚えてみてくださいね。

本当に「要らないです」とはっきり断って失礼にならないの? と心配されている方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、断られて嬉しい気持ちにはなりませんが、お互い “ 快適 ” に過ごすことがハンガリーのおもてなし。
また、現地の人たちは、日本の文化を知っていても深く理解しているわけではありません。
どんなことで外国人である日本人が驚くのかを知ることは、ハンガリーの人々にとって面白い発見でもあるんです。

ただし、自分の感情のままネガティブな発言をしたり、「変な文化~!」と相手の文化を笑い飛ばすのはご法度。
「変」と感じるのは、自国の文化を中心に考えているからで、ひょっとしたら、日本の文化が世界で「変」ということだってありえます。

優しさゆえに、相手を傷つけないよう「お腹いっぱいなんです」と当たり障りなく断るのもNG。
ハンガリーでは、「お腹がいっぱい」というと「苦手ではない」というとらえ方をされますし、“ (今は)満腹です ” と断ると、後でまた勧められる可能性が高いです。
その場は切り抜けられても、時間をおいて、再度同じものを出されたら、困ってしまいますよね。

丁寧な断り方を知っておけば、言葉の壁、文化の違いがあっても、お互いに理解しあえるきっかけになりますよ♪


意外と美味しい!? ハンガリーのラード文化

©2016FinoMagazin

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少しバーベキューから離れますが、ブダペストのとある予約が取りにくいレストランでの出来事。
筆者が訪れたのは、ブダペストの中心地にある老舗ハンガリーレストランでした。

洋食コースのスープを味わったあと、メイン料理の前に、お決まりのパンとバターが登場。
コース料理で出されるパンは、食事の合間をつないだり、スープの味をリセットする役割として出されます。
メインの前に、お腹がいっぱいになってしまうのはわかっているのですが、コースについてくるパンやバターは美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまうんですよね。

友人との会話を楽しみながら、パンをちぎってバターをぬって一口、また一口。
「ん? バターではない? でも美味しいかも !?」と気付けば、あっという間に2切れ分のパンを完食していました。

そこで友人がくすっと笑って一言。
「これ、バターじゃないよ~ ( 筆者が ) 苦手なラードだよ!! 笑」
ハンガリーには、日本ではお目にかかれない、様々な味のラードがあったんです。

老舗レストランでいただいたラードは、まさに青天の霹靂。
今まで「苦手」と思っていたラードに対する偏見が覆った瞬間でした。

外国にいると、どうしても祖国の文化と比較してしまい引き起こるカルチャーショック。
受け入れてみると意外と大丈夫‼ ということもあれば、やっぱり受け入れられないということもありますよね。
我慢しているとショックが深刻化してしまうかもしれません。
そんな時は、無理をせず、自分の気持ちを伝えてくださいね。


今回は、ハンガリーの驚き食文化と、異国の地で食べ物がお口に合わなかった時に、上手に断るアイデアをお届けしましたが、いかがでしたか?
ハンガリーで苦手なものを勧められてお困りの際は 「Köszönöm, de nem kérek. ( クスヌム デ ネム ケーレク) 」と笑顔で上手に断ってみてくださいね。

フィノマガジンでは、引き続き、ハンガリーをより身近に感じられるリアルな現地事情をお届けしていきますので、お楽しみに♪

文 ・ 写真一部 / 武田友里 ( Takeda Yuri )


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この記事は2016年当時のフィノマガジンライターが書きました。

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