地元の人で賑わうブダペスト市場巡り



ヨーロッパの隠れた美食の街、ハンガリーの首都ブダペスト。
この街には、国の食文化を支える多数の市場があります。

中でも、1890 年に立てられたブダペスト最大の常設市場「 Központi Vásárcsarnok ( 中央市場 ) 」は、世界中から多くの観光客も訪れる人気観光スポットの一つです。
「市場」は、現地の人たちの生活や経済事情まで見えてくる面白い場所でもありますよね。

近年では、ハンガリーでもスーパーマーケットでお買い物される方が増えていますが、新鮮な食材を調達するにはやっぱり市場が一番!
ということで、現地在住の筆者がフィノマガジン読者の皆様に代わって、ブダペスト市場巡りをしてきました。
今回は、ブダ側、ペスト側 ※1 各 2 ヶ所ずつ、ガイドブックでは登場しないローカル市場をご紹介していきます♪

※1 ハンガリーの首都ブダペストを流れるドナウ川を挟んで西岸側は「ブダ (BUDA)」、東岸側は「ペスト (PEST)」。

昨年ついに復活!レトロモダンな市場 Klauzál Téri Vásárcsarnok

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©2016FinoMagazin

Klauzál Téri Vásárcsarnok (クラウザール・テーリ・ヴァーシャールチャルノク 以下、クラウザール広場市場) は、昨年年10月にオープンしたばかり。
実は、クラウザール広場市場は 1897 年に建設され、長い間、市民の台所として活躍していました。

その後、閉鎖に追い込まれ一時は廃墟となりましたが、2014 年に当時の外観はそのまま残して再建されることに。
2015年秋、再び市民の台所として蘇った市場なんです。

まだかつての賑わいほどではないようですが、地元の方々は朝に運ばれてくる新鮮な野菜や果物を買いにやってきます。
お昼近くになると出店も少なくなるので、クラウザール広場市場は朝早い時間帯がおすすめです。

新しくなったといってもお店の数が少ないのはちょっと魅力がないな … と感じた読者の方もいらっしゃるはず。
読者の皆様にクラウザール広場市場をご紹介する理由は、「まだあまり知られていない」ということだけではなく「他の市場にはない専門店がある」からなんです。

そのお店とは、ハンガリーの食べる国宝「マンガリッツァ」専門店 Mangalica Mennyország※2 ( マンガリッツァ・メニョルサーグ 以下、マンガリッツァ天国 )。

※2 Mennyország ( メニョルサーグ ) とは、日本語で「天国」を意味します。

マンガリッツァ天国では、その名の通り、マンガリッツァを使った商品がずらり。
読者の皆様は、このマンガリッツァをご存知でしょうか ?

マンガリッツァとは、今や日本でも注目を集めはじめているハンガリーの国宝豚です。
およそ200年ほど前に同国で誕生した特殊な豚で、現在では国外でも人気が高まっています。

くるくるカール毛がチャーミング ♡ 食べる国宝マンガリッツァ豚

©日本ハンガリーメディアート

©日本ハンガリーメディアート

最近では、その美味しさだけでなく見た目も羊のようで可愛いと様々なメディアで取り上げられています。
筆者も今までに取材で数カ所のマンガリッツァ養豚場を訪れましたが、子豚はうりぼう(猪の子)に似ているのに、大人になるとどのマンガリッツもフッサフサ。
遠くから見るとまるで羊のようです。

基本的に牧草地などで半放し飼いにされ、人工飼料ではなく、自然の中で育てた小麦やトウモロコシ、ナッツ等を餌にしています。
極上の脂身と赤身のバランスが良く、ビタミンやミネラルの含有量が多いことでも知られています。
また、コレステロールの原因となる飽和脂肪酸の量が比較的少ないため、普通の豚と比べてお値段はお高めですが、ヘルシーにいただけるのも嬉しいポイント。

マンガリッツァサラミは他の市場やスーパーでも購入できますが、国宝に指定されているマンガリッツァ肉は一般市場ではなかなかお目にかかれません。
リニューアルしたばかりのクラウザー市場では、そんな国宝豚の商品を専門に扱うお店がありますし、その場でマンガリッツァ料理をいただくこともできますよ♪

Klauzál Téri Vásárcsarnok ( クラウザール広場市場 )
住所:1072 Budapest, Klauzál tér 6.
営業時間: 月曜日-日曜日: 07:00 - 22:00 
※17:00以降はほとんどのお店が閉まっています
【関連記事】
 2015年11月18日掲載「独断と偏見で選ぶブタペスト味の逸品【番外編】記者いちおしのレストラン

ダウンタウンの超ローカル市場 Hunyadi téri Piac

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©2016FinoMagazin

次にご紹介する市場は、ブダペストの中でもかなりローカルな Hunyadi téri Piac ( フニャディ・テーリ・ピアツ 以下、フニャディ広場市場 ) です。

こちらの市場は、一見ちょっぴり古びたアパートのような外観で、観光客には入りにくい雰囲気。
しかし中に入ってみると上写真のように、広いホールになっており、八百屋さんやお肉屋さん、牛乳屋さんなど品揃えが豊富で、地元の人々で賑わっています。

お値段も安く新鮮なものが手に入るので、ブダペストのペスト側在住者におすすめの市場です。

産地直送の土曜朝市で旬を感じてみませんか?

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©2016FinoMagazin

土曜日の朝はフニャディ広場市場前に「産地直送の野菜や果物が運ばれてきて朝市が開催」されます。
上写真は平日の午後に撮影したものですが、土曜の朝は新鮮な食材を探しに来た人たちでいっぱい。

朝市場へ行くと獲れたての旬のものが並んでいて、季節を感じることができるのも楽しみの一つ。
ちょっと早起きして、ぜひ朝の市場で旬の旨いもんをゲットしてくださいね♪

Hunyadi téri Piac ( フニャディ広場市場 )
住所: 1067 Budapest, Hunyadi tér 4.
営業時間:
月曜日: 07 - 17:00
火曜日-金曜日: 07:00 - 18:00
土曜日: 07:00 - 14:00

食材も人情味も豊かな Fény utcai piac

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3つ目にご紹介するのは、ブダペストのブダ側にある Fény utcai piac ( フェーニ・ウッツァイ・ピアツ 以下、フェーニ通り市場 )
こちらの市場は、24 時間運航している 4・6 番トラム ( 路面電車 ) の発着駅 Széll Kálmán tér ( セール・カールマーン・テール )の1つ手前の駅 Széna tér ( セーナ・テール ) 下車すぐ のところにあります。

同駅目の前には、Mammut ( マムート ) と呼ばれる大型ショッピングセンターがあり、その裏側に併設されているのがフェーニ通り市場です。
マムートには、映画館やボーリング場、子どもの遊び場もあるので、ご友人やご家族と一緒にお楽しみいただけます。
こちらのショッピングセンターホームページでは、常時クーポンが掲載されているので、お出かけ前にチェックしておくとお得で便利ですよ♪

マムート裏側にまわると、すぐに地元の人々で賑わう場所が見えてきます。
そこがフェーニ通り市場です。

こちらの市場の見所は、「食材豊富」そして何より「お店の人たちが優しい」ということ!
お店の人が親切なのは日本では当たり前なのですが…
笑顔がなかったり、少々物の扱いが雑だったり、忙しいとイライラを前面に出して接客なんていうのもよくあることなんです。

筆者がフェーニ通り市場を訪れた際は、午前中の買い物客で賑わう時間帯。
お店の人が接客に追われていたところに、幼稚園児たちが先生と一緒に市場へお散歩にやってきました。
接客をしながら園児たちに野菜や果物の名前を教えたりする店員さんの姿が見られ、朝からなんとも和やか。

さらに筆者はハンガリーでは普通あり得ない店員さんとお客さんのやりとりを目撃!

女性客「ここにキャベツはありますか?」
店員「ごめん、今日は入ってないんだ。でもあっちの八百屋さんにキャベツがあるよ!」
女性客「ありがとう。お仕事頑張ってね ♪ 」
店員「ありがとう!」

その一部始終は、このような感じでした。
何が驚きかというと、店員さんがお客さんのために他店情報をわざわざ提供したということ。
ハンガリーで買い物をしていると、もしその場にお目当てのものがなければ「無い」の一言で終わり。
こういったシーンを見かけることはまずありません。
フェーニ通り市場は、朝から温かい気持ちになれるマーケットでした♪

Mammut Shopping and Entertainment Centre
住所:1024 Budapest, Lövőház utca 2-6
ショップ営業時間:
月曜日-金曜日 10:00 – 21:00
日曜日 10:00 - 18:00
クーポン情報:http://mammut.hu/en/coupon
Fény utcai piac (フェーニ通り市場)
住所: 1024 Budapest, Lövőház utca 12
営業時間:
月曜日-金曜日: 06:00 - 18:00
土曜日: 06:00 - 14:00
※小さいですが魚屋もあります

地元っ子行きつけ Fehérvári úti Vásárcsarnok

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©2016FinoMagazin

最後は、地元っ子行きつけ Fehérvári úti Vásárcsarnok ( フェヘールヴァーリ・ウーティ・ヴァーシャールチャルノク 以下、フェヘールヴァーリ通り市場 )のお届けです。

この市場の魅力は、なんといっても「花屋さんが充実している」ところにあります!
美しい四季折々の花が訪れる人々を出迎えてくれます。

忙しいと自身の周りは何だか殺風景になりがち。
そんな時に花が一輪でもあると自然の恵みを感じられて心も穏やかになりますよね。
お買い物帰りにお部屋に飾る花を買うも良し、誰かに贈る花束を探すも良し。
フェヘールヴァーリ通り市場は、美しい花々と出会える市場ですよ♪

市場で見た!ハンガリーの衝撃食文化

©flickr/ David Ebert title: Palinka

©flickr/ David Ebert title: Palinka

草花が美しいフェヘールヴァーリ通り市場を散策中の朝、お腹が空いてきた筆者は、いい匂いがする二階のフードコートへ行ってみることに。
そこには既に、朝食を楽しむ地元の人たちがたくさん。

皆さん優雅に朝食を取りながら、お友達やご夫婦で楽しそうにおしゃべりしています。
穏やかな朝だな~なんて思いながら、その光景を眺めているとあることに気づいたんです。

市場で朝食を取られている方々の手元にあるのは、モーニングコーヒーではなく、モーニングビール。
そしてビールの横には、小さなショットグラスが…

まさかと思い近づいてみるとやはりショットグラスの中身は、Pálinka ( パーリンカ )
パーリンカとは、アルコール度数40度を超える果実を使ったハンガリー名物の蒸留酒です。

でもなぜビールとパーリンカを合わせて飲む方が多いのでしょうか。
実は、これを地元では「 Kísérő ( キーシェールゥー ) 」と呼び、ハンガリー人に親しまれているお酒の楽しみ方。
キーシェールゥーとは、日本語に訳すと「 同伴 」を意味し、「ビールと一緒に蒸留酒?蒸留酒と一緒にビール?を飲むこと」を指します。

どうしてこんな飲み方をするのか聞いてみると「手っ取り早くいい感じに酔えるから」だそう。
パーリンカ以外にも Unicum ( ウニクム ) という 40 種類以上のハーブを漬け込んだ200年の歴史を持つ薬草酒とビールを合わせて飲むのも人気なようです。
さすがお酒に強いハンガリー人ならではの文化ですね。
ハンガリーで「同伴」を勧められた場合、特にお酒にあまり強くない方はお気を付けくださいね。

Fehérvári úti Vásárcsarnok ( フェヘールヴァーリ通り市場 )
住所:1117 Budapest, Kőrösy József u. 7-9.
営業時間:
月曜日 06:30-17:00
火曜日-金曜日 06:30-18:00
土曜日 06:30-15:00
※魚屋さんがあります

番外編:おすすめ市場

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ブダペスト最大の常設市場 Központi Vásárcsarnok ( 中央市場 ):上写真
住所:1093 Budapest, Vámház körút 1-3.
営業時間:
月曜日 06:00-17:00
火曜日-金曜日 06:00-18:00
Szerda 06:00-18:00
Csütörtök 06:00-18:00
Péntek 06:00-18:00
土曜日 06:00-15:00
ダウンタウンのおしゃれ市場 Belvárosi Piac ( ベルヴァーロシ市場 )
住所: 1054 Budapest, Hold utca 13.
営業時間:
月曜日 6:30 - 17:00
火曜日-金曜日 6:30 - 18:00
土曜日 6:30 - 14:00
庶民の台所 Lehel Csarnok ( レヘル市場 )
住所:1134 Budapest, Váci út 9-15.
営業時間:
月曜日-金曜日 06:00 – 18:00
土曜日 06:00 - 14:00
日曜日 06:00 – 13:00

今回は、ハンガリーの台所を支えるブダペストの常設市場情報をお届けしましたが、いかがでしたか?
フィノマガジンでは、引き続き、日々の暮らしに役立つ美味しく楽しい話題を発信していきますのでお楽しみに♪


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この記事は2016年当時のフィノマガジンライターが書きました。

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