ハンガリーのワインフェスティバル(BUDAPEST BORFESZTIVÁL)テイスティング・レポート②世界一に輝いたトカイ産ワインのお味は?


毎年1回、行なわれているハンガリーで最も大規模なワインの祭典、「ブダペスト・ワインフェスティバル」からのレポート後編。
ワイン業界で最も影響力のある雑誌の年間ランキング1位に輝いた貴腐ワイン「トカイ・クラシック」の試飲レポートと、その名前に隠された秘密についてお伝えします。

 

最新、2017年ブダペスト・ワインフェスティバルの様子はコチラから


ハンガリーのトカイワインは、世界3大貴腐ワインのひとつ

ブダペスト・ワインフェスティバルが開催されたのは、この9月8日〜11日の4日間、開催場所は世界遺産の「ブダ王宮」。
今年で25周年を迎えたこのフェスティバルでは、ハンガリー全土から選出された優良なワイナリーの銘醸ワインはもちろん、フランスやオーストリアなど、ほかのEU諸国のワインも楽しめます。

 

ヨーロッパ最古のカフェとして知られる「ジェルボー」の美味しい苺タルトとともにいただいた、ロイヤル・トカイの白『Royal Tokaji Blue Label 5 puttonyos Aszu(ロイヤル トカイ ブルー ラベル 5 プットニョス アスー)』。

こちらのワインについては前回のレポートでご紹介しましたね。

遅摘みの葡萄品種「トカイ・フルミント」でつくられた貴腐ワインは、とにかく豊かな香りと甘く上品な味わいが特徴です。
極上な甘さのこのワインのラベル(エチケット)には「5puttonyos Aszu(5プットニョス・アスー)」と書かれていましたが、3つ目に試飲したワインのラベルにも、「puttonyos Aszu」の文字がありました。

 

“世界一”に輝いた貴腐ワイン『トカイ・クラシック』は、まさに至福の甘さ

tokaj-classic

tokaj-classic  photo by FinoMagazin

筆者が3つ目に立ち寄ったのは、「TOKAJ CLASSIC(トカイ・クラシック)ワイナリー」のブース。

このワイナリー名を聞いてピンと来る方がいましたら、日頃からワイン雑誌や専門誌などを愛読されている方ではないでしょうか?

ワイン業界において、最も権威あるワイン専門誌といえば、アメリカで発行されている「Wine Spectator(ワイン・スペクテーター)」という名の雑誌です。

その「ワインスペクテーター」には、毎年恒例の大人気企画があります。
それは、高名なワイン専門家達が世界中のワインのなかから、ベスト100を選出する『ワイン年間ランキング』の発表です。

このランキングは本当に評価が厳しいことで知られるため、同企画で100位内にワインが選出されるということは、その製造元(ワイナリーやカンパニー)の方々にすれば、このうえなく名誉なことなのですね。

続きを住まいの大学で読む

Budapestwinefestivaltokajclassic2000

Budapestwinefestivaltokajclassic2000

そんな、ワイン業界に多大な影響を与える同誌の2004年の年間ランキングで第1位に輝いたのが、このトカイ・クラシックの『The Tokaj Classic Aszú 6 Puttonyos 2000(ザ・トカイ・クラシック・アスー・6プットニョス)』。
まさに、ワインのワールド・チャンピオンに輝いたワインです!

さらにこのワインは、同年開催された国際ワイン&スピリッツ大会(International Wine and Spirit Competition)でも、ゴールドメダルを獲得するなど、世界タイトルをふたつも制覇したのです。

そんな“王者のワイン”がいま、まさに目の前に!

世界を制した王者のワインを試飲する瞬間、それはワイン愛好家にとってはこのうえなく至福のひとときではないでしょうか。

マイグラスに『トカイ・クラシック』が注がれると、先ほどの『ロイヤル・トカイ』よりも深みのある琥珀色でなんとも美しく、まさに樽で長期熟成されたことがわかる、素晴らしい色合いでした。

 

その名前に隠された秘密とは?

TOKAJ-CLASSIC4.jpg

TOKAJ-CLASSIC in Buda Castle photo by FinoMagazin

 

トカイ・ヘジャリア地方でつくられた、シロップのようにとても甘い貴腐ワイン『The Tokaj Classic Aszú 6 Puttonyos 2000』。

まず、このワインラベル(エチケット)に記載される「Aszú(アスー)」の意味からご説明しますね。

このアスーという言葉はもともと、ハンガリー語で『しなびた葡萄』ですが、ワイン用語では『甘口の貴腐ワイン』を意味します。
つまり、“アスー”の表記がある白ワインは、発酵途中のベースワインに貴腐葡萄を漬け込んで造られた貴腐ワインを意味しています。

 

トカイ産ワインのエチケットにあるPuttonyos(プットニョス)の意味は?

©FinoMagazin2016 Budapest Borfestival

©FinoMagazin2016 Budapest Borfestival

 

エチケットには「Puttonyos(プットニョス)」という文字も記載されています。

このプットニョスという言葉は、トカイ産のワインを選ぶ際に知っておきたい言葉のひとつなので、詳しくご説明しますね。

「プットニョス」という言葉はもともと、「貴腐葡萄を入れた桶(または樽)」のこと。

そして、その用語の前にある数字の6は、トカイ・アスーのなかでかなり糖度が高いことを意味しています。
プットニョスの度数が高ければ高いほど糖度が高くて甘く、濃厚かつ力強い味わいになるのが、トカイ産貴腐ワインの特徴です。

代々、トカイ・ヘジャリア地方では、「プットニョス」という背負い桶がワイン造りに使用されてきました。
そんなプットニョスに入る貴腐葡萄の量は約25kg。その1杯分を1単位として数えるのがトカイならではの風習です。

たとえば、この「6プットニョス」であれば、桶6杯分もの貴腐葡萄を、発酵途中のベースワインに入れて漬け込んだという意味になります。
また、『6』プットニョスもあると、かなりランクが高く高級な貴腐ワインとされているのです。

 

そんな6プットニョス以上に当たる、『7~8』プットニョス相当の貴腐葡萄を使用し、5年以上かけて熟成させた貴腐ワインがあります。
そのワインの名は「トカイ・アスー・エッセンシア」。それはきわめて甘い貴腐ワインで、ハンガリーでも最高峰と謳われるワインです。

トカイ・アスー・エッセンシアは、あのルイ14世をも魅了したため、『ワインの王』と讃えられ、フランス、ドイツの貴腐ワインと並んで世界三大貴腐ワインのひとつとされています。

 

ハンガリーのワイン・フェスティバルで、『ワインの女王』をテイスティング

筆者はこのフェスティバルで計8本のワインを試飲することができました。
すべてのワインについて述べたいところですが、どのワインも内容が濃いので、説明するのに半年くらいかかってしまいそうです。

そこで最後は、フランスのボルドーワインのブースもあったので、そちらで試飲した素晴らしいワインを少しご紹介しますね。

 

ブダペスト ワインフェスティバル・レポート② つづく

↓↓↓

記事の続きを住まいの大学で読む

author-avatar

ブダペスト在住ワイン(とインテリア)コラムニスト。フィノマガジン主宰。ワインアドバイザー(Wine & Spirits Education Trust認定Higher Certificate)。現在はオーストリアのWSETでDiplomaコースに通い、MWの夢をいまだ捨てきれず勉強継続中。大手食品メーカー、ワインインポーターの社員として勤務後、広告業界へ。元博報堂グループ(広告代理店)コピーライター、ディレクター(AD & WEB)、プロモーション・プランナー。現在は出版社や雑誌社をはじめ、さまざまな媒体で執筆業を中心に活動。◎受賞歴: J-wave主催Webビジネス開業支援コンテスト特別賞受賞(企画書制作部門)◎メディア出演歴:湘南ビーチFM(ラジオ局)“ワインのお話”メインレギュラー(約2年)。2016年: amebaTV、abemaNews、ハンガリーのネイル製品ブランドMoyra(モイラ)の日本部門【Moyra Japan】代表。

No Replies to "ハンガリーのワインフェスティバル(BUDAPEST BORFESZTIVÁL)テイスティング・レポート②世界一に輝いたトカイ産ワインのお味は?"