ハンガリーの癒し犬図鑑&リアルな現地のペット事情


あっという間に11月も終わりになりました。
寒さが増していくハンガリーでは、先日、まだ 11 月にも関わらず初雪。
寒すぎて家から出たくない … なんて日もありますが、この季節でも嬉しそうに散歩をしているワンちゃんを見かけると、こちらの顔も自然と笑顔になります。

しかし動物はただ可愛いだけでなく一つの命として、かけがえのないもの。
今回は、2016年11月15日掲載「ハンガリーの癒しワンちゃん図鑑」に引き続き、この国自慢の原産犬とリアルな現地のペット事情をご紹介していきます。


ペットフレンドリーな国ハンガリー

©2016FinoMagazin

©2016FinoMagazin

日本の4分の1ほどの国土面積に約 983 万人が暮らすハンガリー。
ヨーロッパの小国ではありますが、Euromonitor International の調査では、1 世帯あたりで少なくとも1 匹以上の犬を飼育している割合が、ヨーロッパの中で常にトップ 5 以内にランクインしている知られざるワンちゃん大国なんです。
犬は古くから家畜を守りハンガリーの人々の生活を支えてきた大切な存在で、今でも根強い人気を誇っています。

そんなハンガリーは、ドッグフレンドリーな国。
例えば首都ブダペストでは、1ヶ月 5,250 HUF※1 (約 2,100 円)の犬専用定期券があり、チケットさえ持っていれば犬同伴で市内の公共交通機関を利用することができるんです。

※1 HUF … ハンガリー現地通貨フォリント

そのためワンちゃん連れで電車に乗ってお出かけしている方々をよく見かけますし、犬も慣れているので混雑している車内でも物怖じせず品よくきちんと乗車しています。
筆者がハンガリーへ移住してから電車やバスを毎日のように利用していますが、今まで一度も車内で吠えたり周りに迷惑をかけている犬の姿を見たことがありません。

さらに日本ではあまり考えられませんが、レストランやカフェに犬連れで来る現地の方は多いです。
基本的にはテラス席等を利用してますが、お店の方もワンちゃん同伴での入店を許可しています。

ブダペストの中心地では、アパートが一般的なので犬を室内で飼うのは普通にあること。
筆者が住んでいるアパートやその周辺にも犬がいますが、鳴き声がうるさいといった苦情を聞いたことがなければ、鳴き声も滅多に耳にしません。

実際に、犬が人間の生活に密着しているハンガリーでは、ペットにはマイクロチップの装着が義務付けられていたりと飼い主への責任は重いのです。


犬が大好きだからこそ、考える飼い主としての責任感

Photo by Kitti

Photo by Kitti / title: Pamacs

ブダペストにはペットショップが点在していますが、日本で見かけるペットショップとは大きく異なる点があります。
日本ではペットショップのケージに入れて陳列された仔犬たちがいますよね。
ハンガリーでは、このような犬の生体販売はほとんど存在しないのです。

ではどこで犬と出会うのでしょうか。
この国では犬を飼うと決心した後、ブリーダー※2 の所へ行きます。
商業的で過剰な繁殖を防ぐために、ハンガリーのペットショップでは犬の生体販売はされていないのです。

※2 ブリーダーとは、犬を中心とするその動物の繁殖をサポートし、流通させる仕事。

筆者はハンガリーでブリーダーとして活動されている方々の取材を何度かしてきました。
その中で、ブリーダーさんたちが共通しておっしゃっていたことは「必ず会って、その人の人柄や経済状況を確かめる」ということです。

一匹の命を最期まで任せることができるかどうかの判断は、大切なことだとわかっていてもこの部分が見逃されがちなのは日本の現状。
犬の排泄物の処理問題等、ハンガリーにももちろん改善すべき点は残っています。
しかし、動物たち一匹一匹の命の尊さを考えるこの国の姿勢から、日本が学べることがあるのではないでしょうか。


都会でも自由に走り回れるスペースがいっぱい♪

©flickr Gunnar Sigurður Zoega Guðmundsson title: Brutus and Mable in the back

©flickr Gunnar Sigurður Zoega Guðmundsson title: Brutus and Mable in the back

ブダペストの街中を歩いていると、子どもたちが遊ぶ公園に併設されたドッグラン※3 をよく見かけます。
都会では室内で飼われているワンちゃんたちが多いので、こういった自由に走り回れるスペースは重要です。
しっかり運動できる場所があちこちにあるのも、この国のワンちゃんがストレスを上手に発散できている秘訣かもしれませんね。

※3 ドッグランとは、犬の飼い主が監視する上で、隔離されたスペース内で犬を自由に運動させることが許可されている場所。

ワンちゃん大好きなハンガリーのペット事情をお伝えしてきましたが、そろそろ動物大好きな読者の皆様へ、お待ちかねの癒しタイムとまいりましょう!
今回は、ハンガリー原産犬の中からぬいぐるみのような可愛さと、ふわふわ感が愛らしい 2 種類のワンちゃんのご紹介です♪


ハンガリー癒し犬図鑑 No.3  Pumi (プミ)

©flickr/ccho title: Pumi

©flickr/ccho title: Pumi

上写真のまるでぬいぐるみのような Pumi(プミ) と呼ばれるハンガリー原産犬をご存知ですか?
前回ご紹介したドレッドヘアーが愛くるしい Puli (プリ)と名前や体のサイズも似ているので、混同されがち。
プリのインパクトに圧倒されているプミですが、テリア系の顔とふわふわの毛、道行く人が「可愛い~」と言わずにはいられないルックスの持ち主なんです。
今回は、そんなプミの魅力を読者の皆様にお届けします♪

プミは、ハンガリー東部のプスタと呼ばれる大平原で牧羊犬として活躍してきたことで知られています。
羊飼いの犬としての能力を高める目的で、西ヨーロッパから持ち込まれた犬と交雑したことによりハンガリーで誕生し、19世紀前半に初めて「 Pumi (プミ) 」という名で紹介されたそうです。
20世紀後半にフィンランドへ輸出したことを機に、欧米で普及していったハンガリー原産犬として有名になりました。

見た目はぬいぐるみのようにキュートなプミですが、好奇心旺盛で非常に俊敏。
また、賢く勇敢な性格の犬と言われています。
警戒心が強いので知らない相手によく吠えるそうですが、きちんとしつければインテリジェントで従順なので、スポーツなどの競技向きワンちゃんだそうです。


超かわいい ♡ 赤ちゃんプミ

©flickr Sarah Easterday title: pumi (12 of 22)

©flickr Sarah Easterday title: pumi (12 of 22)

特徴的な耳と、くりんと丸い瞳がなんとも言えない可愛さの仔犬のプミ。
牧羊犬としての血がさわぐのか好奇心旺盛でやんちゃな仔犬期ですが、愛情深く甘えたな一面もあるのがプミの魅力だそうですよ。

犬種:Pumi(プミ)
体高:45cm 前後
体重:10kg 前後
毛並み:被毛は柔らかい下毛 (アンダーコート)とちょっと粗目の上毛 (オーバーコート) からなるダブルコートでかるくウェーブがかかっている
毛色:グレー、ブラック、ホワイト、フォーン等
性格:勇敢、強気、活発
寿命:12-14 年

ハンガリー癒し犬図鑑 No.4 Kuvasz (クヴァス)

©flickr Keshet Rescue title: Eragon

©flickr Keshet Rescue title: Eragon

真っ白で巻き毛気味の毛が美しいハンガリー原産犬、Kuvasz (クヴァス)
トルコにルーツを持つと考えられているワンちゃんで、15 世紀のハンガリー王、マーチャーシュ 1 世が狩猟や護衛にこの犬を傍に置き溺愛していたとも言われています。
当時はトルコ系民族のタタール語  “ Kavasz(カヴァス) ”  の愛称で親しまれ、それは「武装した貴族の護衛」を意味していたそうです。

古くから家畜を守る犬、狩猟犬として活躍してきたクヴァスは、知的で忍耐力も強く、防衛本能が高い犬。
そんなクヴァスは、第二次世界大戦で一度絶滅の危機に瀕した犬種です。
その理由の裏には、この犬が持つ勇敢さ、大事な家族や家畜を守ろうとする怯まない忠誠心により、敵に挑んで命を落としていったと伝えられています。
そんな聡明で頼もしいクヴァスは、国内にとどまらず国外からも根強いファンを持つワンちゃんなんですよ♪


思わず抱きしめたくなる♡クヴァスの赤ちゃん

画像出典:Wikipédia / Fájl:9 hetes kuvasz kölyök.jpg

画像出典:Wikipédia / Fájl:9 hetes kuvasz kölyök.jpg

ふわふわの純白の毛をしたチャーミングなクヴァスの仔犬。
知的で我慢強く、家族思いなので、番犬にピッタリなワンちゃんです。

読者の皆様は中型犬のプミ派それとも大型犬のクヴァス派ですか?
どちらもまるでぬいぐるみのような可愛らしさで飼ってみた~いと思ってしまいますよね!
でも動物を飼うその前に、ワンちゃんと幸せに暮らせる環境、その責任を十分に考えていきたいですね。

犬種:Kuvasz (クヴァス)
体高:70cm 前後
体重:45kg 前後
毛並み:毛は密集していて厚め、巻き毛
毛色:白、アイボリー
性格:聡明、忍耐強い、忠実
寿命:11-13 年程度

今回は、ハンガリーのリアルなペット事情を中心にこの国自慢のワンちゃんたちをご紹介してきましたが、いかがでしたか。
フィノマガジンでは、引き続き、ハンガリーの現地情報や日々の暮らしの癒しとなるキュートな動物情報を発信していきますので、お楽しみに♪


author-avatar

大阪生まれの大阪育ち。神戸大学で人間行動学を専攻。中学校・高等学校1種免許(保健体育)、小学校専修免許状を所持し、子どものスポーツ教育に従事。その後、ハンガリーへ渡りブダペスト メトロポリタン大学大学院でメディアコミュニケーション学を学ぶ。現在もブダペスト在住。FinoMagazinライターの傍ら、ロケーションコーディネーター、ウエディングフォトプランナーとしても活動中。ハンガリー情報はお任せあれ。英語、ドイツ語もOK!! 日本拳法で全国制覇の経験もあり、心身の強さには自信アリ。知力・体力を磨いて、世界の現場から日本の教育にアイデアを届けることをモットーに、様々な分野で執筆に励む。

No Replies to "ハンガリーの癒し犬図鑑&リアルな現地のペット事情"