【アクインクム】ブダペストの古代の歴史

現在、世界水泳が開催され、各国の選手団や報道陣、観光客で賑わいを見せるブダペスト市内。
このブダペストは1873年に、ブダとペストという2つの都市が合併されて生まれた都市で、ハンガリーの首都でもあります。
そして、ハンガリー人も多々忘れがちですが、この合併した都市は元々2つではなく3つで、オーブダ(直訳と「古ブダ」、Óbuda)という街もありました。
当時のオーブダは現在のブダペスト3区のこと。
私は生まれながらのオーブダ出身なので、今回はブダペストのガイドブックでは見つからないかもしれない、オーブダの古代の歴史を紹介したいと思います。

|| 国境の町、アクインクム

古代、オーブダの大半のエリアはアクインクム(aquincum)と呼ばれ、ローマ帝国の重要な都市でした。
人々が暮らした場所で、当時のローマ軍団もこの場所に駐屯していたのです。

西暦1〜5世紀まで繁栄したアクインクムの人口はおよそ5ー6万人で、軍団兵は約6千人ほど。
アクインクムはローマ帝国の国境にある都市として、戦略的に重要な役割がありました。
現代のオーブダのいくつかの場所で当時の遺跡が残っています。
なかにはとても有名で人気な場所もあり、一方であまり知られていない場所もあります。
今回は主に知られていない場所、後者を主に紹介しながら、アクインクムの一番有名な場所もお伝えしたいと思います。

|| 町の中心

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

見事に掘削された住民の街はローマ時代の歴史に興味を持つハンガリー人と外国人の観光客にとっては人気な場所です。
近くの美術館で大量の遺物もあります。

この巨大なエリアにはいくつかの建物の遺跡、例えば住居、商店街、床暖房がある建物、銭湯などが残っています。

古代アクインクムの住民は毎日、ここに来たかもしれません。

|| アクインクムローマ時代の温泉、テルマエ・マイオレース

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

オーブダの中心であるテルマエ・マイオレース。
ここは当時の軍団用の銭湯でした。
地下通路からアクセス可能な遺跡の上にはアールパード橋への道路で、少し隠れている感じをする所です。
アクインクムの最も大きい建物の1つで、長さ120メートル幅140メートルの建物の中にプール冷水、微温水、温水の風呂もあり、現代のサウナによく似ている「スダトリアム」(sudatorium)、即ち「発汗室」もありました。

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

|| パンと見せ物 / アンフィテアトルム

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

アクインクムには2つのアンフィテアトルム=があります。
小さい方は長さ86、5メートル幅75、5メートルで、6ー7千人の観客は入れるぐらいでした。
色々なスポーツ大会と剣闘士の闘いも行いました。
アンフィテアトルムの近くに兵舎もあり、ネメシスという女神の聖域もあります。
ネメシスはアンフィテアトルムを守り、憤りと罰の擬人化である女神でした。

 

|| 地上での海戦?可能?

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

アクインクムの軍団用のアンフィテアトルムはもっと大きくて、長さ約132メートル、幅約108メートルです。
イタリアの首都、ローマであるコロッセオに比べると小さいかもしれませんが、闘技場は約6,000㎡で、コロッセオの約4,000㎡より大きいです。
その広さに理由は、ここで剣闘士の闘いだけではなく、軍団の訓練やお祝いのパレードも行ったということです。
研究者によると、模擬海戦もあったかもしれません。
つまり、闘技場を水で満たして、船を使って戦ったこともあったかもしれません。観客は1万~1万3千人もいたかもしれません。

Photo by©Laky Balázs

Photo by©Laky Balázs

今回、ほんの少しだけオーブダのローマ時代の遺跡を紹介しましたが、いかがでしたか?
歴史好きな方もそうでない方も、「少しでも皆様の興味が高まったらいいなあ」と思います。
ぜひブダペストを尋ねる際、アクインクムにもお越しになさって下さい。

author-avatar

ハンガリー、ブダペストの出身です。日本語と日本文化について若いころから興味を持って、2010年から日本語を勉強しはじめました。現在、ブダペストのカーロリ大学の3年生です。2015年9月から2016年8月まで日本の大阪大学で留学しました。その時の経験と思い出は私の心の中の「日本で働きたいな~」という気持ちを強化し、卒業したら日本で英語教師として働くつもりです。趣味として翻訳するのは大好きで、歌詞や俳句を翻訳するのは今になって日常的な事だと言えます。

No Replies to "【アクインクム】ブダペストの古代の歴史"