テイスティング&VIPディナーも満喫、世界遺産のお城で楽しむハンガリーワインの祭典、ブダペスト・ワインフェスティバル1


先月9月、ブダ王宮で4日間に渡って、ブダペスト・ワインフェスティバルが開催されました。
昨年も取材していますが、今年もまた、美しい“ハンガリーワインの祭典”について、昨年取り上げられなかった逸品ワインの『テイスティングノート』を添えてレポートします。


エントランスに着く前から、ワクワクがとまらない

ハンガリーに移住してから、さまざまなワインフェスティバルに足を運んできた筆者。
その中で最もお気に入りなのが、世界遺産のお城で、ハンガリー全土の銘醸ワインを堪能できる、ブダペスト・ワインフェスティバルです。

9月7日〜10日に開催された今年は、ラッキーなことにVIPエリアのチケットを入手することができました。
ここがフェスティバルのチケットブース。
支払いは現金、またはクレジットカードでも対応してくれます。

チケット代を払うとスタッフから、ワインをテイスティングする際に必要となるカードと、可愛らしい布の袋に入ったワイングラス1脚が渡されます。
来場者は先にそのカードにいくらかチャージしておいて、試飲の時にブースのスタッフへカードを差し出し、お会計する流れです。

非常に細かい話しですが、コインやお札を触った後、飲み物や食べ物に触れたくない潔癖な方には、このカード方式の支払いなら大変助かりますね。
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VIPエリアに入りたい気持ちを抑えて、トカイエリアから巡回

今年は幸運にも、お宝?チケットを入手できたVIPエリアの様子。
VIPチケットを入手すると、ブダ王宮の中でも絶景度が高いこの特別なエリアの中で3時間、美味しいハンガリアンメニューが食べ放題、ハンガリー全土からの厳選ワインが飲み放題、というなんとも贅沢な内容なんです!
そんなわけで、フェスティバルが開始する昼間から、既に足を運ぶVIPゲスト達の姿が。

しかし、3時間という制限時間があるので(意外とあっという間)、
ハンガリーワインの飲み放題には大変惹かれながらも、『ドナウの真珠』と謳われる最高に綺麗な夜景とともに満喫できるのがベスト、ということで、夜まで一番のお楽しみはとっておくことにしました。


マーチャーシュ王の泉は、ハンガリー版トレビの泉?

トカイ地方のワイナリーのブースが集まるエリアに行く途中、ブダ王宮の中で最も目立つ華やかな彫刻群が見えてきました。

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てっぺんに見える狩人の姿をした人物は中世、ハンガリーが最も栄えていた時代の第34代国王『マーチャーシュ王』。

ここは『マーチャーシュ王の泉』と呼ばれる場所で、その中にコインを投げ入れると願いが叶うらしく!?一度も投げ入れたことはありませんので、その効果は分かりません。。

まるでイタリアのトレビの泉みたいですね。
この泉の周りでも、ワインを満喫する来場者たちであふれていました。


『伝説の鳥の像』を目印に、トカイワインのエリアに到着

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ここはブダ王宮の正門、右に見えるのは『伝説の鳥』と言われる像。
正門を背にするエリアが、トカイ地方のワイナリーゾーン。
この場所は毎回、トカイのエリアと決まっているようです。


トカイワインといえば『琥珀色』。コクとまろやかさも格別

昨年の取材では、ヒュー・ジョンソン氏が経営に携わる『ロイヤル・トカイ』と、『トカイ・クラシック』を中心に、ヨーロッパやワイン通の間ではよく知られた高級感あふれるブランドの貴腐ワインをご紹介しました。

そして、今回は、日本のワイン業界でまだあまり知られていない、トカイ地方の銘醸ワインにスポットライトを当てたいと、今回、初めて見るブースの貴腐ワインからテイスティングを開始。


ポーレツキ・ワイナリーの『5プットニョシュ』

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今回、最初に試飲したのは、ポーレツキ・ワイナリーの

『トカイ・ミュスカ・リュネル・アスー 5プットニョシュ 2014』。

プットニョシュについては、以前、別の媒体で詳細をお伝えしているので、ご覧になってみてください。

ワイン好きは知ってて当然!? 世界一に輝いた貴腐ワイン、その名前に隠された秘密とは?

簡単に説明すると、プットニョシュ=トカイ地方の『アスー(しなびた葡萄)』に関する甘さの尺度を表す言葉です。


以下、筆者のテイスティング・ノートより。


外観: 輝き透明感ともにある、美しい琥珀色。

香り:アロマ/ボトリヌス香をともなう。香りは強め。はちみつ、あんず、マスカットの香り。

ブーケ/木樽熟成独特の香り。ハーブ、ミネラル、白胡椒。

味わい:アタックはやや強い。ひとくち含むだけで上品なコクと繊細さが感じられる。余韻はなめらか。アフターフレーバーにナッツ、バニラの香り。

テイスティングしてみての感想は、まさにデザートワインの真骨頂と言うべき、とろけるように甘く、まろやかな貴腐ワイン。
ハンガリーのスイーツなら、迷わずサモッシュの美味しいケーキと合わせたくなりますね。
このワイナリーのオーナーは女性=マザーとのことで、こじつけではありませんが、女性らしいエレガントな味わいを持つ貴腐ワインのように感じられました。

 

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ようやく出逢えた、極上の天然甘口ワイン

次に試飲してみたブースのワイナリー名は、トカイ地方の『ホルドヴォルギ』。
筆者は今まで、このワイナリーを全く知りませんでした。

で、最初にいただいたのは、

『トカイ・サモロドニ・エロクェンス 2007』

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という貴腐ワイン。

トカイのあとに付く『サモロドニ』は、ハンガリー語で『来るがままに』の意味。
で、どういう意味かと言えば、アスー(しなびた葡萄)を加えていない、トカイ地方の一般的なワインのことを指す言葉です。

そして、このサモロドニは、自然に混ざり込んだアスー(しなびた葡萄の実)があるので、そのアスーの割合で甘口にも辛口にもなりうるという面白さがあります。

『ホルドヴォルギ トカイ・サモロドニ・エロクェンス 2007』

は、フルミント種とハールシュレヴェリュー種※という、ハンガリーのオリジナル葡萄品種同士のブレンドということで、どんな味がするのか早速、試飲してみました。

以下、筆者のテイスティング・ノートより。


外観: 輝き透明感のある琥珀色。

香り:強い、アロマ/白い花の香り、はちみつ、マスカットの香り。

ブーケ/木樽熟成独特の香り。松ヤニの風味。

味わい:アタック強い。とにかく濃い甘さ。クリーミーなテクスチャー、やや酸味あり。余韻は長い。エレガントかつまろやかなデザートワイン。

一言で言い表すなら、とにかく、濃い、そして、甘い!(結局二言に…)
ワイン名がエロクェンス=雄弁 という意味でしたが、ひとくち含むだけで『極上の甘口ワイン』であることを雄弁に物語っていましたよ。

聞けば昨年、とあるワインコンペで受賞しているとのこと。
やっぱりな、という納得の美味しさでしたね。

※…菩提樹に似た葉を持つハンガリー独自の葡萄品種。トカイ地方ではフルミント種に次いで二番目に主要な品種。上品かつまろやかな、芳香のあるワインを生む。

1時間後、さらなる極上スイーツワインを堪能

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ここのワイナリーブースで(筆者の)一本目の試飲をして、テイスティングノートをつけていると、お会計に並ぶ来場者の列が長くなってきました。
そんな筆者の様子を見て、

『また、(筆者の都合の良い)後で来て、もっと美味しいのを試飲させてあげるよ』

と、訳せばこんな感じでしょうか。

一見強面に見えるけど、実はとても親切なディレクター、ミハーリさんのご好意で、一時間後、また足を運び、ハンガリー国内外で受賞を続ける、さらなる銘醸・貴腐ワインを試飲させていただくことができました。

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ホルドヴォルギ・ワイナリー、マーケティング・ディレクターのミハーリさん。

 

そうして、ホルドヴォルギで試した2本目は、写真上の

『インスティテューションNo1 トカイ・サモロドニ 2008』。

最初の一本目と同じくサモロドニで、ミレジム(ヴィンテージ)は2008年の天然甘口ワインです。

香りはとても強く、アロマの段階で松ヤニの風味がするのは驚きでした。
アフターフレーバーにアプリコットジャムのような香りが。

ハンガリーの人々はスイーツ好き、特にチョコレートやケーキには目がありません。
インスティテューションNo1が持つ、自然の恵みから生まれた濃密な甘さは、スイーツをいただく際にぴったり。
マリアージュを考えた時、ホルドヴォルギのワインはいずれも、アペリティフというよりはデザートワインでいただくのが◎だと感じました。

 


貴腐ワインの本命と言える美味しさ、2006年のトカイ・アスー

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ホルドヴォルギのブースでは、計5本、試飲する機会をいただけましたが、その中で筆者が一番強烈な印象を覚えたのが、この1本。

『カルチャー2006 トカイ・アスー』という貴腐ワインでした。

以下、筆者のテイスティング・ノートより。


外観: 輝き透明感ともに素晴らしい、濃い琥珀色。天晴な色合い。

香り:アロマ/ボトリヌス香をともなう。香りはとにかく強い。はちみつ、マスカット、フィノの香り。

ブーケ/木樽熟成独特の香り。ハッカ、腐葉土、ハーブ、ミネラル、白胡椒。

味わい:アタックはとても強い。ひとくち含むだけでフィネスが感じられる。幸せな余韻が長く続く。

マリアージュ:極上フルーツ、極上デザート(ケーキ)、ハンガリー家庭で味わうスイーツ、クルトシュやパラチンタにも◎

今年のワインフェスティバル、トカイエリアで一番お気に入りはどれ?と聞かれたら、

迷わず『カルチャー2006』と答えるでしょう。
そのくらい、この貴腐ワインとの出逢いは驚きでした。

ワイン独特な苦みや酸味が苦手な方には、ぜひ、最初にお勧めしたくなるのが、天然の甘みが素晴らしいハンガリーのトカイワインです。

 

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まだまだ続く、ブダペスト・ワインフェスティバルのテイスティング・ノート。

続きのワインレポートもご覧いただければ光栄です!!


取材・撮影・テイスティングノート/©Papp Hideko ブダペスト在住ワインコラムニスト


 

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ブダペスト在住ワイン(とインテリア)コラムニスト。フィノマガジン主宰。ワインアドバイザー(Wine & Spirits Education Trust認定Higher Certificate)。現在はオーストリアのWSETでDiplomaコースに通い、MWの夢をいまだ捨てきれず勉強継続中。大手食品メーカー、ワインインポーターの社員として勤務後、広告業界へ。元博報堂グループ(広告代理店)コピーライター、ディレクター(AD & WEB)、プロモーション・プランナー。現在は出版社や雑誌社をはじめ、さまざまな媒体で執筆業を中心に活動。◎受賞歴: J-wave主催Webビジネス開業支援コンテスト特別賞受賞(企画書制作部門)◎メディア出演歴:湘南ビーチFM(ラジオ局)“ワインのお話”メインレギュラー(約2年)。2016年: amebaTV、abemaNews、ハンガリーのネイル製品ブランドMoyra(モイラ)の日本部門【Moyra Japan】代表。

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